K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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人生はすなわち遍路 しみじみと杖を握りて山を越えゆく・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・玉井清弘
時計回りの遊行

  人生はすなわち遍路 しみじみと
    杖を握りて山を越えゆく・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・玉井清弘


玉井さんは著名な歌人で昭和15年生まれ。国学院大学文学部卒。
私の第一歌集『茶の四季』(角川書店)の書評を角川「短歌」誌上でいただいたのが、お付き合いのはじまりである。
その「書評」は上記のリンク先で読める。

Wikipediaから引いておく。  ↓
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玉井 清弘(たまい きよひろ、1940年7月21日 - )は、歌人。歌誌「音」選者・編集運営委員会代表。香川県高松市在住。

経歴
愛媛県生まれ。國學院大学文学部日本文学科卒業。香川県立高松高等学校などの教諭を務める。玉井の影響を受けて作歌を始めた教え子に棚木恒寿などがいる。
1965年、窪田章一郎の「まひる野」に入会、1982年、武川忠一の「音」に参加。
四国を拠点とし、自らの住む所を詠み続ける、地方歌人の代表的存在である。四国新聞、愛媛新聞、朝日新聞香川版歌壇選者。

受賞歴
1966年 - 『青年期』でまひる野賞受賞
1987年 - 歌集『風筝』で芸術選奨新人賞受賞
1999年 - 歌集『清漣』で第26回日本歌人クラブ賞受賞
2002年 - 歌集『六白』で第2回山本健吉文学賞および第2回短歌四季大賞受賞
2006年 - 香川県表彰 『文化功労者』
2014年 - 歌集『屋嶋』で第29回詩歌文学館賞[1]および第48回迢空賞[2]受賞
2014年 - 文部科学大臣表彰 『地域文化功労者』[3]

著書
久露 歌集 角川書店 1976 (新鋭歌人叢書)
風筝 歌集 雁書館 1986
鑑賞・現代短歌 8 上田三四二 本阿弥書店 1993
麴塵 歌集 雁書館 1993 (音叢書)
玉井清弘歌集 砂子屋書房 1995 (現代短歌文庫)
清漣 歌集 砂子屋書房 1998
六白 歌集 ながらみ書房 2001  
谷風 歌集 短歌研究社 2004 (音叢書)
時計回りの遊行 歌人のゆく四国遍路 本阿弥書店 2007
天籟 歌集 短歌研究社 2007 (音叢書)
屋嶋 歌集 角川書店 2013
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掲出歌は、2009年上梓された『時計回りの遊行』─歌人のゆく四国遍路(本阿弥書店刊)に載るものである。
この本は、平成17年1月から18年12月にかけて「四国新聞」に週一回連載されたものである。
先生は正式の「歩き遍路」を始められ、二度目の遍路も終えられたようである。

tabibito巡礼者

この本の「帯」にも書かれているが、そもそも四国遍路というものは「何のために歩くのか?」という疑問を投げかけられる人も多いだろう。
この本が、それに応えるものであるとは言えないが、全88項目に及ぶエッセイの中には、さまざまな動機を抱いて四国遍路にやってきた人々の哀歓が描かれる。

この中の(38)に「なにのために歩くのか」という項目がある。少し引いておく。

< 室戸岬を回りこんだ時、苦しい道中に去来したのが芭蕉の『奥の細道』。
芭蕉は何のために、何を考えながら歩いたのだろうか。芭蕉の時代の東北の地は、宿などが整備されていたわけではなく、宿を探す苦労も書き止めている。多くはその土地の俳諧の仲間を頼っての旅だったようだが、・・・・・門人曾良を連れての旅、文学の深化のためとはいえ、病弱の身には命懸けのものだった。ずぶ濡れで歩きながら芭蕉が私の頭を去来していた。
途中から引き返そうという思いはもう湧かなかったが、しかし幾度も「なにのために歩くのか」という問いは自分の脳裏から離れなかった。一週間か、十日ほどの区切り。切り上げて戻って来ると翌日には次回の計画を練り始めていた。土佐の道場は寺と寺との間隔が開いていて、自己との対話の時間がたっぷりと確保できる。

  なにのために歩くのかと問いて答えなし 笑うのみにてまた歩き出す

各自さまざまな悩みを抱えて四国を巡拝している遍路が多いだろうが、出会うどの顔もどこかきりっとしていた。どの顔もどの顔も悩みから解放されたすがすがしい日焼けした顔で挨拶を交わしてくれた。

  一歩ずつ何に近づく 無にちかくなりゆく心に草木の触れて >

玉井さんは、このように書いているが、しいて結論めいたことは言っていない。
それが本当のところであろう。
「自分を見つめ直す」というのが、四国遍路の一つの到達点ではないかと私は思う。
私も略式だが遍路の真似ごとをしたが、私の場合は、長年、妻の病気と伴走してきて、特に妻の死期を看取ったものとして「鎮魂」ということが、主たる目的と言えるだろうか。
また玉井さんは、この本の中で

< 遍路の旅では、相手に遍路に出た動機を聞くのはマナー違反だとされている。
人生途上抱えきれない悩みに人は遭遇する。そのような時、思いつく一つが四国遍路なのではないだろうか。これを思いつき実行できる人は幸福かも知れない。時間と金と体力を必要とする。歩いてとなればなおさらである。 >

と書いている。

私の最近作「明星の」にも遍路の歌があるので、それらについては次回に書いてみたい。

天ライ

玉井さんには2010年12月に出た第七歌集『天籟』(短歌研究社刊)があるが、ここにも多くの遍路を詠った歌がある。
「天籟」という難しい題名は、作者の「あとがき」によると

< 空海の『遍照発揮性霊集』を開いていた時出会った「地籟天籟如筑如箏」の一句による >

とある。この「籟」という字は辞書を引くと、竹かんむりに「賴」と書くが、意味は「笛」ということである。
(注・この「賴」という字は「たのむ」という常用する字だったが、当用漢字策定の際に「頼」にされてしまったので、変換で消えてしまうことが多い、のでご了承を)
ここにも書かれているが、「遊行」の本と時期的に重なるものであり、遍路の歌も多い。
いくつか引いて終りにしたい。

  菅笠のしたかげくらしからだより抜けたるこころ草木に遊ぶ

  おかげさまの祖霊地霊に声かわし露しとどなる蓬野をゆく

  家にあれば笥に盛る酒をカップにて飲めば眠たし紫雲英野に寝る

  ふんどしはくらしっくぱんつと名をかえて遍路の使う我も使いぬ

  さすらいて岬の果てまでたどり着き最御崎寺の古き道ゆく

  食うと寝る排泄をする明快な遍路の旅の七日を経たり

  ポケットに賽銭三つ坂ゆくにちりちりちりと魂の泣く

  四万十のさだちを浴びぬしろがねの五寸釘降るまことますぐに

三首目の歌の「家にあれば笥に盛る・・・」の部分は「万葉集」に、このフレーズの歌があり、玉井さんの歌は、その「本歌取り」ということであり、元歌を知っている者にとっては思わずニヤリとするところであり、こういうさりげないところに玉井さんの教養が滲みでていると言える。

歌人の「詠い方」にも、いろいろあって私などは妻とか家族とかのことを割合たくさん詠む方であるが、玉井さんの歌を見ていても、奥さんとか家族のことは全くと言っていいほど詠まれない。
『時計回りの遊行』には二箇所ほど奥さんのことが出てくる。短歌作品とエッセイの違いからであろうか。
気がついたことを少し書き添えてみた。

なお玉井さんの最新作として歌集『屋嶋』があるが、これについては私のブログ2013/10/13付で書いたので参照されたい。 ↓
玉井
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「般若心経」を横書きにしたものを、下記に貼り付けておく。読み方については、「ふりがな」をつけてあるサイトもあるので、関心のある方は探してみられるとよい。

仏説摩訶般若波羅蜜多心経
観自在菩薩行深般若波羅蜜多時、照見五蘊皆空、度一切苦厄。舎利子。色不異空、空不異色、色即是空、空即是色。受・想・行・識亦復如是。舎利子。是諸法空相、不生不滅、不垢不浄、不増不減。是故空中、無色、無受・想・行・識、無眼・耳・鼻・舌・身・意、無色・声・香・味・触・法。無眼界、乃至、無意識界。無無明、亦無無明尽、乃至、無老死、亦無老死尽。無苦・集・滅・道。無智亦無得。以無所得故、菩提薩埵、依般若波羅蜜多故、心無罣礙、無罣礙故、無有恐怖、遠離一切顛倒夢想、究竟涅槃。三世諸仏、依般若波羅蜜多故、得阿耨多羅三藐三菩提。故知、般若波羅蜜多、是大神呪、是大明呪、是無上呪、是無等等呪、能除一切苦、真実不虚。故説、般若波羅蜜多呪。即説呪曰、羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶。般若心経

ここで、♪「般若心経を聴く」♪というサイトを紹介しておく。このお経を「音声」で聴くことが出来る。
ネット上を探すと、この他にも、いくつかあるが、このサイトの読経の声が一番美しい。


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