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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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藤原光顕の歌「あとさきもなく③」・・・・・・・・・・・木村草弥
芸自_NEW

──藤原光顕の歌──(24)

       藤原光顕の歌「あとさきもなく③」・・・・・・・・・・・木村草弥
              ・・・・・・・「芸術と自由」誌2016/No.303所載・・・・・・・・

      あとさきもなく ③      藤原光顕

 兎の形から石ころでええに替わる墓などどうでもいいほどに苦しいのか

 点滴は鎮痛剤と鎮静剤 見守るしかない時間 ドラマではない

 冷えてゆく頬を撫でる 包み込む 撫でる どこへ行くんや

 するすると吸い込まれる棺 どんづまり これが最後だ

 切羽詰まった訴えが誰にも聞きとれないまま黙ってしまったあの時

 遅かった庭のランタナ待ちわびて見ぬまま妻は逝ってしまった

 咲き盛るランタナの横へ立たせてみる あの笑顔で佇たせてみる

 卵焼きの色は淋しい 少しずつひとり暮らしに慣れていくのか

 今にして難病の保険のつもりだったと知る若いのに買い急いだ墓のこと

 陽ざし白い京の街 風がぬけるとなにもかもこんなに遠い
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妻を亡くした藤原さんの「嘆き」の一連である。
終りから三行目の歌の「少しずつひとり暮らしに慣れていくのか」の詩句が哀切である。
私事だが、この四月が来ると私の妻が亡くなってから丸十年になる。
ようやく私も「一人暮らし」が身につくようになった昨今である。
藤原さん、どうぞ、奥さんとの追憶に浸ってください。


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