K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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すみれ花むらさきの香に咲き出でて吾に親しき春を挿したり・・・・・・・・・・木村草弥
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   すみれ花むらさきの香に咲き出でて
     吾に親しき春を挿したり・・・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥


この歌は私の第一歌集『茶の四季』(角川書店)に載るものである。

「菫(すみれ)」というのは、古来、掲出した写真のものを言うのである。
葉が、この写真のように細長いのと、丸い葉のものとある。日本の野草らしく、小さく可憐な花である。

菫(すみれ)科。
学名 Viola mandshurica
Viola : スミレ属
mandshurica : 満州地方産の
Viola(ビオラ)は「紫色の」という意味。
私が子供の頃から親しんできたのは、この紫色の草だが、淡色や黄色などさまざまのものがあるようだ。
花の後には実が膨らみ、そこから出た種が雨に流されて、流れ着いたところで簡単に増える。
「すみれ」と名のつく草はいくつもあるが、植物学的には、掲出したものを指すと言われている。
日のあたる野や丘、畑に自生し、春に花茎を伸ばして濃い紫の花を一つ横向きに咲かせる。
茎がなく、葉は根元から出て柄を伸ばす。
「万葉集」巻8・春雑に詠われている歌

  春の野に菫採(つ)みにと来しわれそ野をなつかしみ一夜寝にける・・・・・・・・・・・・山部赤人

俳句でも

  山路来て何やらゆかしすみれ草・・・・・・・・松尾芭蕉

  骨拾ふ人にしたしき菫かな・・・・・・・・与謝蕪村

などに詠われるように春の代表的な題材の一つだった。
野の可憐な花で、目立たぬが、心に沁みてくる、なつかしい花である。

sumire7すみれ本命

以下、歳時記に載る「すみれ」の句を引いて終りたい。

 菫程小さき人に生れたし・・・・・・・・夏目漱石

 手にありし菫の花のいつか失し・・・・・・・・松本たかし

 黒土にまぎるるばかり菫濃し・・・・・・・・山口誓子

 菫濃く雑草園と人はいふ・・・・・・・・山口青邨

 すみれ踏みしなやかに行く牛の足・・・・・・・・秋元不死男

 高館の崖のもろさよ花菫・・・・・・・・沢木欣一

 みちびかれ水は菫の野へつづく・・・・・・・・桂信子

 すみれ野に罪あるごとく来て二人・・・・・・・・鈴木真砂女

 摘みくれし菫を旅の書にはさむ・・・・・・・・上村占魚

 すみれ咲く聴けわだつみの声の碑に・・・・・・・・森田峠

 菫咲く微光剥落磨崖仏・・・・・・・・倉橋羊村

 すみれの花咲く頃の叔母杖に凭(よ)る・・・・・・・・川崎展宏

 「大和」よりヨモツヒラサカスミレサク・・・・・・・・川崎展宏

 少年に菫の咲ける秘密の場所・・・・・・・・鷹羽狩行

 どちらからともなく言ひて初菫・・・・・・・・大石悦子

 老人に日暮が来たりすみれ草・・・・・・・・橋本栄治



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