K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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うらうらに照れる春日にひばりあがり 心かなしもひとりし思へば・・・・・・・・・・・・大伴家持
Alauda_arvensis_2ヒバリ

   うらうらに照れる春日(はるひ)にひばりあがり
    心かなしもひとりし思へば・・・・・・・・・・・・・・・・・・大伴家持


雲雀(ひばり)は春の鳥である。一年中いる留鳥ではあるが春以外のシーズンには目立たない。
スズメ科ヒバリ属という鳥で写真①のように保護色になっているので草叢や地面に居ると見分けにくい。頭には短い羽冠がある。
繁殖期の子育ての時期には囀りがいかにも春らしく、中空で歌い、一直線に地に下りる。これを落ちるという。
麦畑や河原の草に巣を作るが、巣から離れたところに下り、草かげを歩いて巣に至るので、巣を見つけるのは難しい。
ひばりは空にあがる時はヘリコプタの上昇のように一直線に真上に羽をはばたいて昇る。
hibari-5ひばり急上昇

写真②は、その急上昇の一瞬を捉えたもの。子育ての時期には敵の存在を確認すべく上空から監視するのではないか。いわゆる「ホバリング」が出来る鳥なのである。
この後、文字通り羽ばたきをやめて一直線に「落ちる」。

ひばりは虫や昆虫などを餌にしている。掲出した写真も虫をくわえている。
秋などに休耕田の草刈をしていると、虫が飛び出すのを知っていて、いろいろの鳥が寄ってくるが、ヒバリも寄ってくるものである。

ヨーロッパの詩などにもヒバリは、よく詠われ、イギリスの詩人パーシー・シェリーの有名な名詩"To a skylark"がある。
「壺斎閑話」という人のサイトに翻訳文と原詩が載っているので参照されたい。

日本の詩歌にも古来よく詠われ、掲出の大伴家持の歌も有名なものである。
「うらうらに」という出だしのオノマトペも以後多くの歌人に使われているものである。
以下、歳時記に載るヒバリの句を引いて終りたい。

 雲雀より空にやすらふ峠哉・・・・・・・・松尾芭蕉

 うつくしや雲雀の鳴きし迹の空・・・・・・・・小林一茶

 くもることわすれし空のひばりかな・・・・・・・・久保田万太郎

 わが背丈以上は空や初雲雀・・・・・・・・中村草田男

 なく雲雀松風立ちて落ちにけむ・・・・・・・・水原秋桜子

 雲雀発つ世に残光のあるかぎり・・・・・・・・山口誓子

 かへりみる空のひかりは夕雲雀・・・・・・・・百合山羽公

 初ひばり胸の奥処といふ言葉・・・・・・・・細見綾子

 虚空にて生くる目ひらき揚雲雀・・・・・・・・野沢節子

 ひばり野やあはせる袖に日が落つる・・・・・・・・橋本多佳子

 雨の日は雨の雲雀のあがるなり・・・・・・・・安住敦

 雨の中雲雀ぶるぶる昇天す・・・・・・・・西東三鬼

 腸(はらわた)の先づ古び行く揚雲雀・・・・・・・・永田耕衣

 いみじくも見ゆる雲雀よ小手のうち・・・・・・・・皆吉爽雨

 雲雀野や赤子に骨のありどころ・・・・・・・・飯田龍太

 ふるさとは墓あるばかり雲雀きく・・・・・・・・高柳重信

 雲雀落ち天に金粉残りけり・・・・・・・・平井照敏

 ひばりよひばりワイングラスを毀してよ・・・・・・・・豊口陽子

 揚雲雀空のまん中ここよここよ・・・・・・・・正木ゆう子

 ひばりひばり明日は焼かるる野と思へ・・・・・・・・櫂未知子

 揚雲雀空に音符を撒き散らす・・・・・・・・石井いさお

hibarini酒井抱一

俳句を載せてからの追加のような形になるが、「雲雀に春草図」という1817年頃絹本着色という酒井抱一の絵を見つけたので載せる。
この絵には歌人・千種有功の賛(画の内容に関連する文句を詩歌などに作って記したもの)がある。賛の文句は

  はるくさのはなさくのべをわけくれば こころそらにもなくひばりかな

この絵には、たんぽぽ、つくし、すみれ、わらびの生える野辺の上を雲雀が飛ぶのどかな風景を描いている。有名な絵らしい。



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