K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
201707<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>201709
おまえの髪はおまえの街の傾いた海/光の輪が 無数のめまいと揺れている海 / おまえの潮の匂いだって嗅げるのだ ぼくは・・・・・・・・大岡信
02.jpg

   朝の少女に捧げるうた・・・・・・・・・・・・大岡信

     おまえの瞳は眼ざめかけた百合の球根
     深い夜の真綿の底から
     朝は瞳を洗いだす そして百合の球根を

     おまえの髪はおまえの街の傾いた海
     光の輪が 無数のめまいと揺れている海
     おまえの潮の匂いだって嗅げるのだ ぼくは

     おまえの腕は鉄のように露を帯びる
     おまえの脚は車軸の速さで地下道を抜ける
     おまえのからだの曲線は光の指に揉まれているが
     そのいたずらがいつもおまえを新しくする
------------------------------------------------------------------
この大岡信の詩は、彼の青春まっただ中を歌った詩と言ってよい。
ただ、この「少女」というのが、ここに描かれる色々のものの比喩になっているのだが、「今どきの」少女というイメージとして比較するとミスマッチな面もあろうか。
今どきの少女というのは一種の「怖さ」が付きまとうから悲しい。
大岡や私のような世代が少女に抱いていたイメージというのは「新鮮な」ものだった。

大岡信の詩については、何度も引いてきたので、ここでは余り多くのことを喋るのは止めにしたい。
大岡信は2003年度文化勲章受章者である。
朝日新聞朝刊に長い間連載してきた「折々のうた」が執筆を打ち切りになって感慨ふかいものがある。
ここで大岡の別の詩の一部を引用しておく。
--------------------------------------------------------------------
 ooka大岡信

  春のために(後半の一部)・・・・・・・・・・・大岡信

    ぼくらの腕に萌え出る新芽
    ぼくらの視野の中心に
    しぶきをあげて回転する金の太陽
    ぼくら 湖であり樹木であり
    芝生の上の木洩れ日であり
    木洩れ日のおどるおまえの髪の段丘である
    ぼくら

    新しい風の中でドアが開かれ
    緑の影とぼくらとを呼ぶ夥しい手
    道は柔かい地の肌の上になまなましく
    泉の中でおまえの腕は輝いている
    そしてぼくらの睫毛の下には陽を浴びて
    静かに成熟しはじめる
    海と果実
------------------------------------------------------------------
掲出の詩と、後に引用した詩とは、ほぼ同じような心象の詩になっていることが判るだろう。

「大岡信ことば館」
2010年10月、三島駅北口から1分のZ会ビル(文教町ビル)の中に、大岡信ことば館がオープンした。
所在地は、〒411-0033 静岡県三島市文教町1丁目9-11 - 055-976-9160 である。
三島市は大岡信の故郷であり、彼の父・大岡博(歌人)の息子として、ここで生れた。
東京で大学生活や大学教授や詩人・文筆業を務めた後、現在は静岡県裾野市に居を構えておられる。
この館についてはリンクになっているのでアクセスしてみられよ。

コメント
コメント
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック
copyright © 2017 Powered By FC2ブログ allrights reserved.