K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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手にすくふ水に空あり菖蒲田の柵に病後の妻と凭りゐつ・・・・・・・・・・・・・木村草弥
img_shoubuden菖蒲田本命

  手にすくふ水に空あり菖蒲田の
    柵に病後の妻と凭(よ)りゐつ・・・・・・・・・・・・・木村草弥


この歌は私の第四歌集『嬬恋』(角川書店)に載るものである。
私の地方は、豊富な地下水を利用して花菖蒲、かきつばた、海芋(かいう)カラーなどの花卉栽培の盛んなところで、この時期になると「花菖蒲」田が見ごろになる。
この歌は数年前の亡妻の大手術の後の小康の頃の様子を詠っている。

手にすくった水に空の青さが映っている、という歌の意味であるが、今となっては、妻との思い出として忘れられない歌になってしまった。

「菖蒲」の句を少しひいて終わる。

   白菖蒲過去なくて人生きられず・・・・・・・・・・・・稲垣きくの

この句なども、作者にいかなる事情があったか分からないが、私の心象に激しく迫るものがある。

   菖蒲見しこころ漂ふ如くなり・・・・・・・・・・・・・藤田湘子

文芸のいいところは、読者が、作者の意図を離れても、さまざまに解釈し得るということである。
花菖蒲の群生を見ても、私の場合、妻に心が行って、「こころ漂う」というフレーズに心動かされるのであった。

hanasyobu1429ss菖蒲田本命③

   白菖蒲剪つてしぶきの如き闇・・・・・・・・・・・・鈴木鷹夫

この句なんかも私の身にびんびん響くものがある。それは、受け取る私の心が、そういう受動の個所に居るというからに他ならない。

   風渉りゐて菖蒲田の白ばかり・・・・・・・・・・・・篠崎圭介

この「叙景」は、何ともない情景のようであるが、心象に迫るものを持っている。

   ほぐれそめ翳(かげ)知りそめし白菖蒲・・・・・・・・・・・・林 翔

菖蒲が心を持つ筈もないのだが、人というものは、何につけても、心を盛りたがるものである。「翳知りそめし」という表現が秀逸である。


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