K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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からころも/着つつなれにし/妻しあれば/はるばる来ぬる/旅をしぞおもふ・・・・・・・・・・・・在原業平
IMG_0208_1カキツバタ

   からころも/着つつなれにし/妻しあれば
        はるばる来ぬる/旅をしぞおもふ・・・・・・・・・・・・在原業平


先ず掲出した歌のことを書く。
この歌は当代一の色男であった在原業平が三河──今の愛知県の「八橋」というカキツバタの名所で詠ったもので有名なもの。
今は八橋ゆかりの「無量寿寺」の中で継承されている。← 知立市のHPである。

原文には「/」のようなものは無いが、この歌の成り立ちを説明するために、敢えて区切りを入れてみた。
この歌には趣向がこらされていて、5、7、5、7、7の各フレーズの頭に「かきつばた」の字を置いて作ったもので「冠」作りという歌遊びになっている。
「折り句」と言われることもある。
詳しくは、↑ リンクになっているWikipediaの記事を参照されたい。

「からころも」というのは「着る」にかかる「枕詞」であるが、この「からころも」という言葉自体にも「衣」としての意味がある。
衣を身にまとうように馴れ親しんできた妻だが、思えばはるばると旅をつづけてきたものだなあ、いとしい妻が思われてならぬ、という意味である。

ところで写真①は「かきつばた」であるが、「いずれがアヤメ、カキツバタ」という文句があるように、この二つはとてもよく似ていて、区別が難しい。
img_shoubuden菖蒲田本命

参考までに、写真②は花菖蒲あやめである。
カキツバタとアヤメの見分け方は、先ずカキツバタは葉の幅が3センチほどあるのにアヤメは幅が1センチほどしかない、ということ。
またカキツバタは4月末から5月中旬、下旬にかけて咲くが、アヤメは露天では6月にならないと咲かない。というところであろうか。
菖蒲というと五月五日の端午の節句に合せて花菖蒲を飾るが、これはビニールハウスで保温して促成栽培したものであり、
私の住む地域で盛んに栽培されている。

kakitu10かきつばた

写真③はカキツバタの田の様子である。
学名によると両方ともアイリスの種類で、属が異なるだけである。
菖蒲は Iris ensata というが、杜若は laevigata と属名が異なる。
菖蒲の属名は「剣形の」の意味であり、杜若は「無毛の、平滑な」の意味である。
因みに言うと「アイリス」とはギリシア語で「虹」の意味である。鮮やかな紫色をしているからだろう。
この頃では西洋品種の「アイリス」という花が一般に栽培されるようになった。紫色が一段と濃い花である。
他にもジャーマンアイリスとか何とか、とりどりの色と柄の品種がある。
カキツバタは、明後日5月13日の「誕生花」であり、花言葉は「幸運」「雄弁」である。

はじめに書いた三河の八橋は杜若の名所で、今でも4月下旬から5月下旬まで、カキツバタにまつわるイベントが開催されている。
なお愛知県の県花はカキツバタになっている。

カキツバタの花の姿が飛燕の紫を思わせるので燕子花とも書く。
杜若を詠んだ句を引いて終わる。

 杜若語るも旅のひとつかな・・・・・・・・松尾芭蕉

 赤犬の欠伸の先やかきつばた・・・・・・・・小林一茶

 杜若切ればしたたる水や空・・・・・・・・高浜虚子

 よりそひて静かなるかなかきつばた・・・・・・・高浜虚子

 垣そとを川波ゆけり杜若・・・・・・・・水原秋桜子

 燕子花咲くや桂の宮寂びて・・・・・・・・水原秋桜子

 降り出して明るくなりぬ杜若・・・・・・・・山口青邨

 杜若けふふる雨に莟見ゆ・・・・・・・・山口青邨

 地図になき沼に霧湧く杜若・・・・・・・・児玉小秋

 妻の脛妖しき日ありかきつばた・・・・・・・・佐藤いさむ

 ベレー帽おしやれ被りに杜若・・・・・・・・遠藤梧逸

 声とほく水のくもれる杜若・・・・・・・・桂信子



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