FC2ブログ
K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
202007<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>202009
又吉直樹『火花』せきしろ×又吉直樹『まさかジープで来るとは』『カキフライが無いなら来なかった』・・・・・木村草弥
又吉①_NEW
 ↑ 「火花」 文藝春秋2015/08/15刊 第17刷
又吉②_NEW
 ↑ 幻冬舎2011/05/10刊 第4刷
又吉③_NEW
 ↑ 幻冬舎文庫 平成25/10/10刊 初版

──新・読書ノート──

   又吉直樹『火花』せきしろ×又吉直樹『まさかジープで来るとは』『カキフライが無いなら来なかった』・・・・・・・・・・木村草弥

いま話題になっいる又吉直樹である。
『火花』は百万冊単位のベストセラーになっている。
私がアマゾンから買ったのは、いずれも古書である。 後の二冊なんかは1円というもので送料257円が付くのみという安さである。
アマゾンの書評欄に載るコメントを一つひいておく。
------------------------------------------------------------------------------
多分これが芥川賞を取るでしょう投稿者 エア 投稿日 2015/7/7

芸人だからっていろいろな見方がされるのでしょうけど、この火花は純文学として十分に完成度が高いです。
以前に賞をとって有名になった某イケメン俳優の小説とは全くものが違います。
芥川賞の候補になる価値はありますし、多分これが芥川賞を取ると思います。

これはエンタメ小説ではありませんので、普段純文学を読んでいない人にとっては
つまらない小説になるかもしれません。
ここで酷評している人たちは、最近の芥川賞の受賞作や、今回の候補作を読んだのでしょうか?
それらに比べて、そんなに劣っていると思ったのでしょうか?
私は今回の候補作は全部ではありませんが読みました。
それらと比べても決して遜色がない作品だと思います。
------------------------------------------------------------------------------
又吉は、読書が好きだと公言するだけあって、小説を書き慣れている。文体は昭和風で少し古めかしいけれど。
ピースという吉本所属の漫才師という話題性のある人だからというニュース性に富んだことも受賞に大きく貢献していると言える。

私が引いた後の二冊の本が面白かった。
「自由律俳句」というのも私には親近感があった。 「せきしろ」などについてはWikipediaで見てもらいたい。

「共著」ではあるが、仔細に見てみると、ページの上に「せきしろ」とか「又吉直樹」なんて書いてあるから、それが二人の作の目印なのだろう。
『カキフライが無いなら来なかった』が先に発刊されたようだ。文庫化されたのは後だが。
せきしろ作と思われる句はやめて、又吉作と思われる句を少し引く。

     二日前の蜜柑の皮が縮んでいる

     憂鬱な夜を救ってくれる本といる

     坊さんが大量にアイスを買っていた

     まだ眠れる可能性を探している朝

     ハンガーに何もかかってない引っ越した日

     猿がデジャブとつぶやいた

     フタをしめない主義なのか

ところどころに「散文」が挿入してあって、こういうところで又吉は小説を書く修練をしているようだった。大事なことである。

     熟年カップルが影と影にキッスさせてた

     このベンチは止めよう昔ちょっと

     占い師が犬に吠えられている       (以上、『カキフライが無いなら来なかった』より)

     イントロは良かった

     こんな大人数なら来なかった

     急に番地が飛んだぞ

     男が読む新聞の裏が猥褻

     日記を劇的にしたがる癖がある

     黙る場所と馬鹿でも気付く雰囲気

     何かの記念日だと気づいたが遅い

     立ち小便の湯気に怯える

     鳥居と同じ色の唇

     自分が注文した料理が余っている

     嫌な予感ミラーボールがある

     自分だけ吠えられると悪魔と思われる

     家にいると決めた日の夕焼けが誘う

     鬼門で転ぶ平凡な男だ

     大盛りという嫌がらせもある

     分不相応なほど良い詩集は押入れの奥へ

     便座を拭いている段階でノックされている

     下巻しかない      (以上『まさかジープで来るとは』より)

          



コメント
コメント
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック
copyright © 2020 Powered By FC2ブログ allrights reserved.