K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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とうすみはとぶよりとまること多き・・・・・・・・・・・・・・・・富安風生
ookawaオオカワトンボ

      とうすみはとぶよりとまること多き・・・・・・・・・・・・・・・・富安風生

生れたばかりの蜻蛉が、まだ飛び立つには不安な姿を、じっと水辺の草にとめている。その辺りでは、水草が川水に揺られてなびいているのだった。
「トウスミトンボ」は水辺に居る蜻蛉で、この句はそんな生態をよく捉えている。
季語としては「蜻蛉生る」が夏の季語であり、単なる「蜻蛉」は秋の季語であることに注意したい。
蜻蛉は春から成虫が飛びはじめるが、秋になるとアキアカネ(アカトンボ)など大量に集団で群れて飛ぶのが、よく人目につくので、蜻蛉は秋の季語とされたのだろう。
蜻蛉の種類もたくさんあるが、掲出の写真のものは「オオカワトンボ」という。主に水辺を棲息域とする飛翔力の弱い蜻蛉である。
アキアカネやオニヤンマなどの種類は、かなりの距離を楽に移動する。
なお蛇足だが、トンボには羽根を広げて止まるのと、羽根を閉じて止まる、の二種類がある。
カワトンボの種類は写真のように羽根を閉じて止まる。アキアカネなどは羽根を広げて止まる。

私の敬愛するTokira氏の記事によると、最近では「オオカワトンボ」の呼称を「ニホンカワトンボ」と統一されたという。
詳しくは「日本産トンボ標本箱」を参照されたい。

以下、歳時記に載る「蜻蛉生る」の句を少し引く。
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 蜻蛉生れ覚めざる脚を動かしぬ・・・・・・・・・・・・中村汀女

 蜻蛉うまれ緑眼煌とすぎゆけり・・・・・・・・・・・・水原秋桜子 

 藺を伝ひ生るる蜻蛉に水鏡・・・・・・・・・・・・松本たかし

 草渡る風の蜻蛉を生みにけり・・・・・・・・・・・・龍橙風子

 蜻蛉生れてくらくらと水の上・・・・・・・・・・・・山上樹実雄

 水底より生れて蜻蛉みづいろに・・・・・・・・・・・・堀好子

 蜻蛉生れ雷迫る野を漂へり・・・・・・・・・・・・・中井眸史

 沢瀉に泉の蜻蛉生れけり・・・・・・・・・・・・根岸善雄

 糸とんぼ生れし歓喜水去らず・・・・・・・・・・・・勝部仇名草

 糸蜻蛉尾の先藍にして瀟洒・・・・・・・・・・・・福田蓼汀

 蜻蛉生(あ)れ水草水になびきけり・・・・・・・・・・・・久保田万太郎

 萍(うきくさ)の動くがままに糸とんぼ・・・・・・・・・・・・八重九皐

 糸とんぼ可憐に交みさまよひ出る・・・・・・・・・・・・鈴木石夫

 糸とんぼ骨身けづりし彩なせり・・・・・・・・・・・・新谷ひろし

 流れゆくものに止まりて糸蜻蛉・・・・・・・・・・・・遠山りん子

 おはぐろや旅人めきて憩らへば・・・・・・・・・・・・中村汀女

 川蜻蛉木深き水のいそぎをり・・・・・・・・・・・・・能村登四郎

 ひたひたと水漬く板橋川とんぼ・・・・・・・・・・・・逸見嘉子


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