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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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冷されて牛の貫禄しづかなり・・・・・・・・・・・秋元不死男
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  冷されて牛の貫禄しづかなり・・・・・・・・・・・秋元不死男

「牛洗う・牛冷やす」は夏の季語。炎天下の労働を終えた牛を、夕方、水に浸からせて体をきれいに洗ってやり、疲労を回復させる。静かに、堂々となすがままに任せている牛。「貫禄」の一語が牛の描写を的確に成し遂げている。
こういう農村風景も、戦後は機械化の進展で、牛を労働力として使うこともなくなり、見られなくなった。この句は昭和42年刊『万座』に載る。

秋元不死男は、昭和52年75歳で没した横浜生まれの人。旧号・東(ひがし)京三。新興俳句運動の中心作家の一人でリアリズム俳句を唱えて、論・作両面で活躍したが、昭和16年、いわゆる俳句事件により検挙拘禁され2年間拘置生活を経験した。戦後は現代俳句協会、俳人協会などの幹事をつとめ、数種の歳時記の編集など、啓蒙の面でも功績があった。
以下、不死男の句を少し引く。
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 寒(さむ)や母地のアセチレン風に欷(な)き

 降る雪に胸飾られて捕へらる──昭和16.2.4未明、俳句事件にて検挙3句

 独房に釦おとして秋終る

 獄の冬鏡の中の瞳にも顔

 獄出て着る二十廻(とんび)に街の灯が飛びつく──昭和18.2.10夜、わが家へ帰る2句

 蝿生れ早や遁走の翅使ふ

 幸さながら青年の尻菖蒲湯に

 鳥わたるこきこきこきと缶切れば

 今日ありて銀河をくぐりわかれけり

 明日ありやあり外套のボロちぎる

 蛇消えて唐招提寺裏秋暗し

 ライターの火のポポポポと滝涸るる

 焦燥や白魚に目がちよんとある

 年の瀬や浮いて重たき亀の顔

 病む妻の裾に豆撒く四粒ほど

 人工肛門(オストミー)のおなら優しき師走かな

 床ずれや天に寝返るつばくらめ

 ねたきりのわがつかみたし銀河の尾──(絶句)


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