K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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はまなすの丘にピンクの香は満ちて海霧の岬に君と佇ちゐき・・・・・・・木村草弥
020509ハマナス

  はまなすの丘にピンクの香は満ちて
   海霧(じり)の岬に君と佇(た)ちゐき・・・・・・・・・・・・・木村草弥


「はまなす」は北海道から本州の海岸の砂地に生える植物で、その実が茄子の形をしいてることから、この名前がついたと言われている。
この歌は私の第二歌集『嘉木』(角川書店)に載せたもので、亡妻との思い出を歌にしている。
海霧を「じり」と呼ぶことは、歳時記から見つけて、ここに使ってみた。
北の海は夏でも霧が出やすく、一般には「ガス」と呼んだりするが、私は余りなじみのない「じり」という言葉を使いたかった。

hamana7ハマナスの実

写真②が、ハマナスの実である。茄子というよりも、トマトに似ているが、トマトと茄子は近縁の植物である。丁度いまころは実が赤く色づいている頃であろうか。
ハマナスは漢字で書くと「玫瑰」となるが、花は6月頃から五弁の花を咲かせる。香りが良い。
初秋に赤い実が生り、熟して甘いという。しかし、今どき食べる人はいないであろう。私も食べたことがない。
いま歳時記を当ってみたら、生息域は北海道から茨城、島根あたりまでだという。九州や四国などの暖地には生息しないらしい。

hiP622立待岬

写真③は函館の立待岬である。ここもハマナスの群生地として有名で、歌謡曲にも歌われている。
写真にもハマナスの花が一面に咲いている。
私の歌を、ここと結びつけて想像してもらっても、別に構わない。
文芸作品は、一旦、発表されて作者の手を離れると、どう想像、連想されようと、作者には無関係であり、それは、読者の自由だから。
実際、この立待岬は、いつもカップルたちで混んでいる。
以下、ハマナスを詠んだ句を引いて終りにしたい。

 玫瑰の丘を後にし旅つづく・・・・・・・・高浜虚子

 玫瑰に幾度行を共にせし・・・・・・・・高野素十

 玫瑰や仔馬は親を離れ跳び・・・・・・・高浜年尾

 玫瑰や今も沖には未来あり・・・・・・・・中村草田男

 玫瑰を噛めば酸かりし何を恋ふ・・・・・・・・加藤楸邨

 玫瑰に紅あり潮騒沖に鳴る・・・・・・・・橋本多佳子
 
 玫瑰や波のうへより涛襲ひ・・・・・・・・岸風三楼

 玫瑰に海は沖のみ見るものか・・・・・・・・井沢正江

 はまなすや親潮と知る海の色・・・・・・・・及川貞

 はまなすや湖に影ゆく親仔馬・・・・・・・・沢田しげ子
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引用した句の終りから二番目の及川貞さんの句のように、ハマナスは「親潮」のかかる流域に限定されるらしいことが、よく判った。


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