K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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今日も小雨が降りつづけます人はこれを秋霖と言っています・・・・・・・木村草弥
0120081022010120081022130a750秋雨

      今日も小雨が降りつづけます 
             人はこれを秋霖と言っています・・・・・・・・・・・・・木村草弥


この歌は私の第三歌集『樹々の記憶』(短歌新聞社)に載るものである。
今しも秋霖─秋雨前線、秋雨─が降りつづいて嫌な天気が続いている。
所によっては集中豪雨になって被害の出ているところもある。

秋雨(あきさめ)とは、日本において8月後半頃から10月頃にかけて降る長雨のこと。秋の長雨、秋霖(しゅうりん)、すすき梅雨ともいう。

夏から秋に季節が移り変わる際、真夏の間本州一帯に猛暑をもたらした太平洋高気圧が南へ退き、大陸の冷たい高気圧が日本海や北日本方面に張り出す。
この性質の違う2つの空気がぶつかる所は大気の状態が不安定になり、秋雨前線が発生する。
梅雨前線と同じく、前線を挟んで夏の空気と秋の空気とが押し合いをしているため、前線は日本上空を南下したり北上したりする、こうして長雨が続く。

オホーツク海気団と小笠原気団のせめぎ合う中で北上する梅雨前線は、平年で8月前半頃には中国の華北地方~朝鮮半島北部~北海道付近にまで達し、勢力が弱まって次第に消滅する。
そして日本付近は小笠原気団からなる太平洋高気圧、中国大陸は揚子江気団からなる停滞性の高気圧に覆われ、東アジアのほぼ全域で本格的な夏が続く。
一方8月前半頃には、偏西風の強い部分(ジェット気流)が中国北部付近からオホーツク海付近にかけての地域に北上し、流れも弱くなる。
しかし、8月後半頃になると、次第に偏西風が南下を始め、秋の空気もそれに伴って南下してくるようになる。
8月後半頃になると、太平洋高気圧が日本列島から離れたり近づいたりを繰り返すようになる。
また、夏の間周りよりも相対的に気圧が低かった大陸の気圧が上がり始め、移動性高気圧やシベリア高気圧が勢いを増してくる。
太平洋高気圧が離れたときには、そこに偏西風が入り込んで移動性高気圧と低気圧が交互にやってきて、晴れと雨が繰り返すような天気が訪れるようになる。
このような天気が次第に増え始め、晴れ続きの夏の天気の間に雨がやってくるようになる。
これが秋雨の始まりである。8月後半頃から9月頃にかけて、北日本から東日本・西日本の順に寒冷前線が南下・東進するようになる。
このような天気を経て、次第に低気圧とともに前線が発生し、停滞するようになる。

それにしても、今年の気象は異常だった。世界的に「偏西風」が蛇行して、冬には本来あたたかいところに大雪が降ったり、春以後には集中豪雨に見舞われたりしている。

今日は、そんなことに因んで、この歌を掲出し「秋霖」のことについて少し書いてみた。
掲出した歌は「手紙」という一連10首からなっている。
全部引いてみよう。

        手紙・・・・・・・・・・・・木村草弥

  今日も小雨が降りつづけます 人はこれを秋霖と言っています

  どこか遠くの方に台風もいるそうですが こおろぎの合奏です

  ブロック塀にまいまいつぶろが抽象画を描きづつけています
  
  みんな生きていることを証しするのに夢中です 小雨にもめげずに

  生きることの試み 生きることの絶望 その絶望に狎(な)れぬこと

  生きると言えば私のように終点に近づくともう惰性のようなものです

  時には自分が人生の一番まずい道を選んだのかと考えます

  どのみち私の人生はこんなものだったのかと思いますが もがくこともありません

  遠く過ぎ去ってみれば結局は他人とたいした違いはないのです

  こんな思想が黴(かび)のように生えるのはしとしとと小雨が降りつづくからでした


この歌集を出したのは1999年のことだから、もう十七年も前のことになる。
年齢的に言うと、私は70歳になったばかりであるが、「終点」意識が濃厚に漂っているのに驚く。
「手紙」という題になっているが、今なら「秋霖」とするだろう、と思ったりする。
手紙文の形になっているが、それは別として、こういう文体を文学概念的には「アフォリズム」という。
この歌集には、こういう表現体が多いが、この頃、私は「アフォリズム」に関心があったことを示している。
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秋霖については  Wikipedia─秋雨 に詳しい。


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