K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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ひともまた弧影曳きをり穴まどひ・・・・・・・鈴木孝一
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  ひともまた弧影曳きをり穴まどひ・・・・・・・・・・・・・・鈴木孝一

夏の間活動してきた蛇は、「変温動物」なので、気温が低くなると活動が鈍くなる。
晩秋になると「冬眠」のために穴に入る。秋の彼岸頃と言われているが、実際にはもっと遅い。
数匹から数十匹がどこからともなく集まり一つ穴に入り、からみあって冬を過ごすという。
固まることによって、体温を維持し、体温の極端な低下を防ぐためである。
彼岸過ぎても穴に入らないものを俳句では「穴惑い」という。
沖縄では十二月まで活動するらしい。
写真①は「ジムグリ」というナミヘビ科の日本に棲む蛇である。

写真②は、シマヘビのうち、色が真っ黒に特化したものでカラスヘビ黒化型という。

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春の季語に「啓蟄」とか「蛇穴を出る」とかいうのがあるが、これらは蛇や爬虫類、両棲類、虫などが、暖かくなってぞろぞろ地中から這い出てくることをいうが、
秋になって冬眠のために穴探しをするのを「蛇穴に入る」という現象である。
蛇は自分では穴を掘ることが出来ないので、蟻などの掘った穴を利用するらしい。

世の中には蛇嫌いの人が多くて、見つけると狂気のように打ちのめしたりする人が居るが、マムシなどの毒蛇でない限りは、概して野ネズミなどを食べる有益な生物である。
古来、日本では「巳成金」と言って蛇は利殖の神様として扱われ、蛇の脱皮した「抜け殻」を財布などに仕舞う風習がある。

掲出句は、そんな秋の蛇の行動を、人の姿に引きつけて詠んでおり、面白いと思って、いただいた。

以下、冬眠前の秋の蛇、穴惑いを詠んだ句を引いて終る。

 穴撰みしてやのろのろ野らの蛇・・・・・・・・小林一茶

 今日も見る昨日の道の穴まどひ・・・・・・・・富安風生

 蹤き来る妹には告げぬ秋の蛇・・・・・・・・山口誓子

 身を結び身を解き孤り穴惑ひ・・・・・・・・中村草田男

 穴惑刃(やいば)の如く若かりき・・・・・・・・飯島晴子

 フォッサ・マグナの南端を秋の蛇・・・・・・・・原田喬

 穴惑ひ畦をまたぎてゆくところ・・・・・・・・清崎敏郎

 真二つに折れて息する秋の蛇・・・・・・・・宇多喜代子

 落胤のやうに去にけり秋の蛇・・・・・・・・伊藤白潮

 穴惑ばらの刺繍を身につけて・・・・・・・・田中裕明

 落日に影を曳きゆく穴まどひ・・・・・・・・秋篠光広

 耳遠き世はこともなし穴まどひ・・・・・・・・奥野桐花

 うろたへてあとはすらりと秋の蛇・・・・・・・・広瀬直人

 追はれては水を走れり穴まどひ・・・・・・・・岡村寿美

 身の丈に若さ残せり秋の蛇・・・・・・・・笠原興一

 百匹の蛇穴に入る楢木山・・・・・・・・御崎敏枝

 落日の刻はかりゐる穴まどひ・・・・・・・・松本節子



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