K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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菊の香はたまゆら乳の香に似ると言ひし人はも母ぞ恋しき・・・・・・・木村草弥
aaoosyumei秋明菊大判

   菊の香はたまゆら乳の香に似ると
     言ひし人はも母ぞ恋しき・・・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥


この歌は私の第二歌集『嘉木』(角川書店)に載るものである。

菊の香りにも、さまざまの香りが複合しているようである。
母の背に負われて嗅いだ乳くさい匂いは、子供にとっては懐かしい母の匂いである。
「菊の香は乳の匂いがする」と言った人は、おそらく母が恋しかったのだろう、というのが私の歌の意味であるが、私も同感して、この歌になっている。
「たまゆら」とは「一瞬」ということである。

写真①は「秋明菊」であるが、この草は別名「貴船菊」とも言い、京都の北の貴船に多く見られるという。
菊という名前がついているが、中国原産のキンポウゲ科の植物で、花が菊に似ているので、この名がついているがキク科のものではない。

20071106_438758肥後菊

↑ 写真②は「肥後菊」である。
肥後─熊本には「肥後六花」と言って、藩主細川氏が命じて薬草園で改良させた植物があるが、これについては後日、
稿を改めて書く予定だが、そのうちの一つに「肥後菊」があるのである。花弁の形が独特である。色はいろいろある。
因みに「肥後六花」とは、季節の順に「肥後椿」「肥後芍薬」「肥後花菖蒲」「肥後朝顔」「肥後菊」「肥後山茶花」のことを指す。
詳しいことは、いずれ稿を起こすときに譲りたい。

IMG_5636江戸菊

↑ 写真③は「江戸菊」である。
名前の通り、江戸で改良された品種であるが、私は美的なものとは思わない。
毎年、11月になると皇居外苑で菊花展が開かれるそうで、これらの花も展覧されるという。
江戸城ゆかりの皇居のことであるから由緒もあって、ふさわしいだろう。

4100948077_574c824c0b一文字菊

↑ 写真④は「一文字菊」という品種であり、それは花弁が16枚前後の一重の菊で大輪である。これは別名を御紋章菊ともいうという。
この菊は、江戸菊のような変な形のものではなく、シンプルなものである。

ki018奥州菊男咲き

↑ 写真⑤は「奥州菊」男咲き、というものである。
男咲き、というからには「女咲き」という花もあるのだろうが、花の写真が手に入らないが、二つに盛り上がるのを言うらしい。
女性特有の胸乳の形からの連想だろう。
「男咲き」は盛り上がりが一つで垂れた花弁が八の字になるという。大輪の菊で、一本仕立ての菊の花弁のうち、十数弁が下に長く垂れている。
こういう菊の形を総称して「大摑み」という。
奥州と言っても広いが、これは青森で開発されたものらしい。
日本人は、こういう品種改良に情熱を傾けたらしい。これは日本人のみならず、中国人にも、そういう性癖はあったらしい。
一年の半分を雪に埋もれて暮らす人々にとって、何か情熱を燃やす対象があって幸福だったというべきだろう。

ki011伊勢菊

↑ 写真⑥は「伊勢菊」である。
花弁が糸くずのように垂れているのが特長である。

他に京都の「嵯峨菊」という菊があるが、これについても、稿を改めて一日分を載せるので、ここでは触れない。
以下、菊の句を少し引いて終る。

 たましひのしづかにうつる菊見かな・・・・・・・・飯田蛇笏

 わがいのち菊にむかひてしづかなる・・・・・・・・水原秋桜子

 伊豆の海星の消えゆく菊の雨・・・・・・・・角川源義

 菊日和暮れてすなはち菊月夜・・・・・・・・福田蓼汀

 きのふより後日の菊の晴れ渡り・・・・・・・・森澄雄

 我生きて在るは人死ぬ菊花哉・・・・・・・・永田耕衣

 菊匂ふ命を惜しと思ふとき・・・・・・・・小林康治


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