K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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藤原光顕の歌「あんまりな日々(1)」16首・・・・・・・・・・・木村草弥
芸自_NEW

──藤原光顕の歌──(30)

     藤原光顕の歌「あんまりな日々(1)」16首・・・・・・・・・・・木村草弥
               ・・・・・・「芸術と自由」No.306/2016.11.01所載・・・・・・・・

      あんまりな日々(1)        藤原光顕

 汗拭いパソコンに対う あのひとのいないこの世で何しているのか

 「ポジティブ」が今日は出てこない「ネガティブ」が出てこない日もある

 ミックスサラダとあれば刻んだキャベツを買うひとりで食えばまさしく餌だ

 「一・五分でちょうどよかった」写真に言う そうめんの茹で加減のはなし

 押入の奥から谷内六郎が出てきて 空飛ぶ夢はまだ見るかいと聞く

 夢に出たてきたあのひとは なんにも言わず 迷う私に従いてくる

 それがとっておきの芸らしく繰り返し叫ぶ「こわい こわい こわい」
  
 遠く来てたったこれだけのものだったのか思い果たした虚しさにいる

 けっこう探したんだ 横から見たらこれは杓文字のかたちではない

 ほとんどはなくても生きていけるもの除けては戻し今日も探す

 ああこんなところにあったと拾い上げて あれはどこに置いたのだろう

 35℃の午後が3時になる異化とか回収とかベクトルとか そんな文脈で

 どうでもええ明日の予定二つメモして とりあえず就眠儀式終わる 

 何かがありそうだった遠い夏 眩しい速さで新幹線は消える

 ひたすら喘ぐだけだった夏「のちの日々」というフレーズのこる

 「歌書いてなければパパはダメになるかも」今頃になって人づてに聞く
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いつもながらの光顕節だが、老いの哀歓が偲ばれて、わが身につまされる。
最後の歌の<「歌書いてなければパパはダメになるかも」>のところは、私のことを言われたのかと、思わずドキリとした。
藤原さん。夏には適当にクーラーを使ってください。私も日中はなるだけクーラーを使わないようにしていましたが、老人には毒らしいですよ。
この号の「あとがき」で編集者の梓志乃が書いているが

<藤本さん、星野さんと主要同人を亡くして淋しい限りである。
 言葉にこだわった藤本さんや社会に厨の窓から対峙した星野さんを考えるとき、
 口語で歌を作ればそれでいいといった安住に居座りたくはないという思いは強い。>

という発言は貴重である。口語短歌を詠んでいる者への警鐘として受け取りたい。



 

 
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