K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
201702<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>201703
季節はああ次々とやつて来る私はもう急ぐこともない・・・・・・・木村草弥
8499b_convert_20091212092412.jpg

    季節(シーズン)はああ次々とやつて来る
        私はもう急ぐこともない・・・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥


この歌は私の第一歌集『茶の四季』(角川書店)に載るものである。

「生き急ぎ」という言葉があるが、これは反面では「死に急ぎ」にも通じることである。
今しも、年末にさしかかってきて、友人、知人、親戚などから「喪中はがき」が連日のように舞い込む始末である。
私のような歳になってくると、友人の死の知らせに接することが多い。
そんなハガキに添え書きしてあるペン字には、自分自身の体のことで「胃がんで全摘出した」とか「パーキンソン病になってしまった」とか書いてある。

掲出した私の歌は、もう二十年以上も前の旧作だが、この頃に、私はもう、こんな「死生観」を濃密に抱いていたということである。
私は十代の思春期の頃に、長兄や姉や祖父や妹やら、叔父の死などが連続して異様な感覚に打ちのめされた。
「死」ということに、否応なく直面させられたのである。
この頃から、私の身近に「死」が存在した、と言えるだろう。
だから、私自身にとっては、掲出歌のような心境は不思議でも何でもないのである。

私の掲出歌とは直接の関係はないが、必要があってネット上をサーフィンしていたら、下記のような記事に出会ったので載せておく。
いつごろの記事なのかも不明。
----------------------------------------------------------------------------
「死急(しにいそぎ)温泉」 (宮城県)

 温泉には、様々な成分が溶けこんでいて、それが健康にもよいのだが、中には成分があまりにも強烈で、注意しないと体に悪いような温泉もある。この死急温泉はその代表的なものである。

 岩風呂にたたえられたお湯は、ちょっと見ただけでは何の変哲もないきれいな湯である。ただ、よく見れば湯面に、羽虫や小動物の死骸が浮かんでいることに気がつくだろう。そして、鼻をつく強烈な臭い。

 ここの温泉は、硫酸をかなりの濃度で含んでいるので、長時間入っていると体が溶けてしまう。慣れた人で一分。初心者は十秒くらいつかるだけにするのが安全であろう。

 東北本線黒勝田からバスと、電車で乗りついでくるこの死急温泉は、その名の通り地獄の一丁目のような恐ろしいムードのところである。馬車を降りると、そこにはポツンと、一軒の古びた宿があるだけ。宿のすぐ横は墓場で、時々火の玉がふわふわ漂っている。

 そんなところまで来たのは、あなた以外にひとりもいない。そこで宿の扉を開け、ごめん下さい、と言う。三度ほど叫んだところでやっと奥から、
「ふはーい」
 と言って前歯が一本もない皺だらけの老婆が腰を曲げて出てくる。
「今晩泊めてもらえませんか」
「えっ。そしだらもしかすっど、おめえは、お、お、お、お客さんだばや」
「そうです」
「そうか」
 
 なぜか急に老婆は無口になる。ジロリ、とあなたを見つめて、小さな声でこう言ったりするのだ。
「死んでも、知らんぜよ」
 背中に冷たい水をあびせかけられたように、ゾーッとするであろう。

 しかし、私はこの死急温泉へ何度も行き、その卒塔婆館を経営する老夫婦をよく知っているのだが、そのお婆さんは小比類巻ミチといって、本当はとても親切な人である。

(中略)

 宿の裏手に、露天風呂がある。前述したように、初心者は十秒くらいしか入ってはいけない湯なので、岩などにつかまってすぐにあがれるように身構え、ちゃっと入って、十数えたらすぐ出るようにしよう。その時体のバランスを崩して湯に頭から落ち、強い酸を飲んでしまい、げぼっ、とむせたりし、我を忘れて暴れまわり、足をすべらせて掴みどころを見失ったりしていると、足元のほうから、ジューッと体が溶けていくので大変な悲劇となる。そういう意味では、恐ろしい温泉である。

交通 東北本線黒勝田駅からバス25分で死出路へ。死出路から乗合馬車で1時間。車で行ける道はない。
泉質 硫酸。55度。
効能 機敏性を養う。度胸試し。
宿 1軒。
◆卒塔婆館 Cランク。収容10人。経営者が不気味。
-----------------------------------------------------------------------
何とも異様な温泉があるものである。「死に急ぎ」という言葉を使ったので、その関連で「検索」に引っかかった言葉端であると、お許しいただきたい。

いずれにしても、「生き急ぎ」「死に急ぎ」はするものではない。物事や歳月の推移も、あるがまま受け入れたいものである。



コメント
コメント
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック
copyright © 2017 Powered By FC2ブログ allrights reserved.