K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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黒猫に白毛混じりて猫にくる老いをながむる感動はあり・・・・・高田流子
k0655黒猫

──<猫>の歌いくつか──

    ■黒猫に白毛混じりて猫にくる
        老いをながむる感動はあり・・・・・・・・・・・・・・高田流子


私は猫は嫌いなので飼ったことがないが、この歌は、黒猫も老いると白毛混じりになる、という理(ことわり)を面白く、かつ諧謔的に歌にしてある。
この一連に載る歌を、もうふたつ挙げておく。

   ■猫の歳十四はすでに大婆と言ひやればばたり床にたふれる

   ■秋の夜の膝にきたれる黒猫と白髪多きをともに嘆きぬ・・・・・・・・・・・・・高田流子

長年、生活を共にして来たので、この猫は「人語」を解するらしい。この歌も愉快である。
この作者は「年譜」によると昭和15年生まれとあるから、さほど老齢ということもないが、女の人にとっては「白髪」というのは、嫌なものらしい。
猫に向って「お前も白髪が目立つようになったわね」と呟く様子が見えるようである。
「描写」というものは、かくあらねばならない。

私の方の家は猫どもの「通りみち」になっていて、臭い臭いおしっこはするわ、ぐんにゃりとしたウンコをするわ、で大被害なので、猫を可愛がる人の気が判らない。
こんな歌がある。

     ■五日まり行方不明の親猫が霧ふかき朝鳴きつつ帰る・・・・・・・・・・・・関根栄子

この猫は、恐らく交尾期の盛りの時期だったのではないか。
この時期の猫の狂ったような嬌声は安眠妨害である。私はバケツに水を張ったものを用意しておいて、やかましい猫の叫び声がしたら窓からぶっかけることにしている。

     ■立ちどまり現在位置をたしかめて方向音痴のわが猫がゆく・・・・・・・・・・・西海隆子

「犬は人につき、猫は家につく」と、よく言われることである。この歌のように、方向音痴の猫が居るのであろうか。

     ■この電車地下を這ひつつゆくからにうかがふやうな猫の形だ・・・・・・・・・・・池田はるみ

この歌は直接には電車を詠っている。這う形の猫の姿勢のようだ、という比喩になっている。

     ■隣家はこぼたれ小さき闇となり麻布猫族夜な夜な集う・・・・・・・・・・・・千家統子

     ■だれにでも抱かれるわたしのネコはもうわたしのネコであるはずはなく・・・・・・・・・・武藤雅治

「猫」の歌をよく目にすると思っていたが、こうして選り出してみると、なかなか見つからないものだ。
この辺にする。



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