K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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リルケ死にし日なりき冬の薔薇の辺に・・・・・脇村禎徳
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    リルケ死にし日なりき冬の薔薇の辺に・・・・・・・・・・・・・・・脇村禎徳

今日12月29日はドイツ人の作家・リルケの忌日である。
掲出句は、そのリルケと冬薔薇とを情趣ふかく描いて秀逸である。
リルケには薔薇を詠んだ24篇の詩があり、それに因んで詩集の表紙を出しておいた。

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ライナー・マリア・リルケ(Rainer Maria Rilke、1875年12月4日~ 1926年12月29日)は、オーストリアの詩人、作家。
シュテファン・ゲオルゲ、フーゴ・フォン・ホーフマンスタールとともに世紀転換期を代表するドイツ語詩人として知られる。

プラハに生まれ、プラハ大学、ミュンヘン大学などに学び、早くから詩を発表し始める。
当初は甘美な旋律をもつ恋愛抒情詩を発表していたが、ロシアへの旅行における精神的な経験を経て『形象詩集』『時祷詩集』で独自の言語表現へと歩みだした。
1902年よりオーギュスト・ロダンとの交流を通じて彼の芸術観に深い感銘を受け、その影響から言語を通じて手探りで対象に迫ろうとする「事物詩」を収めた『新詩集』を発表、
それとともにパリでの生活を基に都会小説の先駆『マルテの手記』を執筆する。

第一次大戦を苦悩のうちに過ごした後スイスに居を移し、ここでヴァレリーの詩に親しみながら晩年の大作『ドゥイノの悲歌』『オルフォイスへのソネット』を完成させた。
『ロダン論』のほか、自身の芸術観や美術への造詣を示す多数の書簡もよく知られている。
詳しくはWikipedia → ライナー・マリア・リルケ を参照されよ。

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以下は「冬薔薇」について書いておく。

   冬薔薇を剪(き)るためらひは何事ぞ貴きものを奪ふここちす・・・・・・・・・・・・・・木村草弥

この歌は私の第二歌集『嘉木』(角川書店)に載るもので小項目名「薔薇」というところに、バラを詠った歌をまとめてあるものの一つである。
バラは何と言っても「花の女王」であることは間違いない。在来種の野バラから、さまざまな改良が加えられて、今ではハイブリッドや遺伝子レベルの技術を駆使して新品種が産出されている。
写真②も「レッドヒロシマ」というハイブリッドによる品種物である。

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バラには痛い棘(とげ)があるのが難点だが、今ではトゲのない品種もあるのではないか。
バラの中でも、人それぞれ好みがあろうが、私は写真②のような「真紅」のバラが好きである。豪華なレディーという印象である。
妻の入院中にはあちこちからバラの花束をいただいたことがある。妻の大学の時の友人の某大学教授N女史から、お見舞いの花のアレンジが贈られてきたことがある。
バラが主体のアレンジであって、そんなことから、今日はバラの花のことを書いてみる気になった。

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写真③もハイブリッドものの新品種である。なんとも色合いが華麗である。ついでに、写真④にもハイブリッドもののバラを掲出しておく。これも色合いが鮮やかな花である。

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このバラには「ジーナ・ロロブリジーダ」の名がついている。そう言えばロロブリジーダの雰囲気が出ているバラである。
書き遅れたが写真③のバラの名は「マダム・ビオーレ」とある。N女史などは、まさに、そういう雰囲気にふさわしいとも言える。
そのN女史だが、先年、急性の脳梗塞に罹り半身不随で闘病の末、いまは車椅子の生活を余儀なくされている。

長年、歌作りをやっているとバラを詠み込んで、あちこちに歌を発表しているもので、歌集にする場合には、
それらを「薔薇」という項目にまとめる、というようなことをする。
以下、ここにまとめた「バラ」の歌一連を引いておきたい。
掲出した歌の主旨は「冬薔薇」を剪る時には、万物の命の休止している冬の季節に、せっかく咲いた花を切り取るということに、
極端にいうと「生き物の命」を奪うような気が一瞬した、ということである。

         薔 薇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥

     キーボード打てるをみなの傍(かた)へにはコップに挿せる紅薔薇にほふ

     老いびとにも狂気のやうな恋あれと黒薔薇みつつ思ふさびしさ

     飲みあけしミニチュア瓶に薔薇挿せばそこより漂ふスコッチの香り

     鬱屈のなきにもあらず夕つかた何もなきごとく薔薇に水やる

     喪に服し静もる館は薔薇垣を結界として何をか拒む

     冬薔薇を剪るためらひは何事ぞ貴きものを奪ふここちす

     冬薔薇を剪る妻の手に創(きず)ありぬ薔薇のいのちの棘の逆襲

     ほのぼのとくれなゐ淡き冬薔薇にそそのかさるる恋よあれかし

     薔薇図鑑見つつし思ふ園生には緋の花責めの少女ゐたりき

     たまさかに鋏を持てばことごとく刺す意あらはに薔薇は棘見す

     言へばわが心さびしもしろたへに薔薇咲き初めて冬に入りたり

「冬薔薇」を詠んだ句を引いて終る。薔薇は「さうび」(そうび)とも発音する。

 尼僧は剪る冬のさうびをただ一輪・・・・・・・・・・・・山口青邨

 冬薔薇(さうび)石の天使に石の羽根・・・・・・・・・・・・中村草田男

 冬の薔薇すさまじきまで向うむき・・・・・・・・・・・・加藤楸邨

 冬ばら抱き男ざかりを棺に寝て・・・・・・・・・・・・中尾寿美子

 冬さうび咲くに力の限りあり・・・・・・・・・・・・上野章子

 冬薔薇や賞与劣りし一詩人・・・・・・・・・・・・草間時彦

 ぎりぎりの省略冬薔薇蕾残す・・・・・・・・・・・・津田清子

 夫とゐて冬薔薇に唇つけし罪・・・・・・・・・・・・鷹羽狩行

 孤高とはくれなゐ深き冬の薔薇・・・・・・・・・・・・金久美智子

 冬薔薇や聖書に多き科の文字・・・・・・・・・・・・原田青児

 ふと笑ふ君の寝顔や冬の薔薇・・・・・・・・・・・・マブソン青眼



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