K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
201705<<123456789101112131415161718192021222324252627282930>>201707
大原女の足投出してゐろりかな・・・・黒柳召波
800px-Japanese_Traditional_Hearth_L4817囲炉裏

      大原女(おはらめ)の足投出してゐろりかな・・・・・・・・・・・・・・・・・黒柳召波

床の一部を大きな炉にして、薪や榾(ほた)を燃やして、暖をとるとともに、煮たきもする。
「居る」の延音が囲炉裏だと言い、囲炉裏は当て字ながら、団欒の雰囲気をよく表している。
主人の座のほかに横座、嬶(かか)座、向座、木尻と、座るところが決まっているという。
一年中の団欒の場だが、厨や居間に解体してゆくのが現状だという。

この句の作者である黒柳召波は、与謝蕪村の高弟で、本来は漢詩人で、俳句は余技というが、色彩感覚に秀でた句を作ったという。
明和8年(1771)12月7日に45歳で没したという。それ以外には、私にはわからない。
「朝日日本歴史人物事典」には、下記のように載っている。 ↓

生年: 享保12 (1727)
没年: 明和8.12.7 (1772.1.11)
江戸中期の俳人。名は清兵衛。別号,春泥,春泥舎。京都中立売猪熊に店を構えた町衆の子孫。壮年期に服部南郭に学び,竜草廬の幽蘭社に属したりし,漢詩人として活躍。俳諧は与謝蕪村に師事し,蕪村が炭太祇と提携して三菓社句会を催した折には,最も熱心な門人として参加。明和5(1768)年以降は讃岐から蕪村が帰京し,召波亭で何回となく句会が催された。蕪村門の俊秀で,その他界を蕪村が「我俳諧西せり」と嘆じたことは有名。句集に,維駒編『春泥句集』(1777)がある。<参考文献>潁原退蔵『蕪村と門人』(『潁原退蔵著作集』13巻)
(楠元六男)

event05_01big.jpg

「大原女」(おはらめ)というのは、京都の洛北の大原の土地の女で、京の市内へ花、薪などを売りに来るので、よく知られている。
字の通りに読むと「おおはらめ」となるが、京都では、このように約(つづ)めて発音する。
この写真は「大原女まつり」というのが近年催されていて、そのときのものである。
この行事は行列に参加する人を一般から募集して行われ外人たちも喜んで参加するという。
「白川女」(しらかわめ)というのもあり、白川女は野菜などの食べ物を主として売りに来るので、扱う品物に違いがある。
「白川女」は今でも京都市内には見られる。
だが「大原女」というのは「薪」「柴」などを扱っていたので、今の時代には廃れてしまって、一般的には見かけない。

「榾」という字は「ほた」または「ほだ」と訓む。
囲炉裏にくべる燃料で、木の枝や木の根などで、特に木の根をよく乾燥させたものは火力が強く火持ちがよいので、榾の中心的なものになる。
根の部分を特に根榾と呼ぶ。「かくい」という言葉があるが、それは「切株」を指すものである。

      おとろへや榾折りかねる膝頭・・・・・・・・小林一茶

という句があるが、木の根が中心であることを、よく表している。
「囲炉裏」または「榾」を詠んだ句を引いて終わる。

 火の色の夕間暮来る囲炉裏かな・・・・・・・・小杉余子

 松笠の真赤にもゆる囲炉裏かな・・・・・・・・村上鬼城

 とどまらぬ齢のなかの炉のあかり・・・・・・・・木附沢麦青

 囲炉裏の農夫一度だまれば黙深し・・・・・・・・福田紀伊

 いろいろのものに躓き炉火明り・・・・・・・・高野素十

 主の声炉辺へ出てくる戸の重さ・・・・・・・・中村草田男

 叱られてゐる猫ゆゑに炉辺をかし・・・・・・・・中村汀女

 炉火いよよ美しければ言もなし・・・・・・・・松本たかし

 榾尻に細き焔のすいと出で・・・・・・・・・高野素十

 大榾をかへせば裏は一面火・・・・・・・・高野素十

 そのなかに芽の吹く榾のまじりけり・・・・・・・・室生犀星

 黙々と榾火明りに物食ふ顔・・・・・・・・加藤楸邨

 大榾のおのが覆りて燃えつづく・・・・・・・・皆吉爽雨

 大榾の骨ものこさず焚かれけり・・・・・・・・斎藤空華

 炉の榾のやせ脛ほどになりて燃ゆ・・・・・・・・下村梅子

 榾足すや馬屋に馬の顔うるみ・・・・・・・・村上しゆら

 榾明り触れては消ゆる梁高き・・・・・・・・水原秋桜子

 榾の火にとろりと酔ひし眼かな・・・・・・・・日野草城

 時化海女の榾の香染みし腰ぶとん・・・・・・・長谷川せつ子

-----------------------------------------------------------------------
大原というと「猫のしっぽ カエルの手」 ← というベニシア・スタンリー・スミスさんの「京都大原 ベニシアの手づくり暮らし」というNHK─BS3の番組があった。
私の好きな、いつも見る番組であった。



コメント
コメント
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック
copyright © 2017 Powered By FC2ブログ allrights reserved.