K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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さりながら独りは一人の行く道あり食う寝る自由死ぬるも勝手・・・・沖ななも
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   さりながら独りは一人の行く道あり
     食う寝る自由死ぬるも勝手・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・沖ななも


沖ななもは加藤克巳の弟子だけあって、歌作りも自由闊達なところのある、面白い作品を作る人である。
この歌などは、まるで老人の私が言いそうな口ぶりである。
彼女も独り暮しなのであろうか。
掲出画像は彼女の著書の一冊である。そのほかに下記のような著書などがある。
歌集・詩集
詩集『花の影絵』 若い人社、1971年
歌集『衣裳哲学』 不識書院、1982年
歌集『機知の足首』 短歌新聞社、1986年
歌集『木鼠浄土』 沖積舎、1991年
歌集『ふたりごころ』 河出書房新社、1992年
歌集『天の穴』 短歌新聞社、1995年
歌集『一粒』 砂子屋書房、2003年
歌集『三つ栗』 角川書店、2007年
歌集『木』 短歌新聞社、2009年
選集
『現代短歌文庫 沖ななも歌集』 砂子屋書房、2001年
評論・エッセイ・入門書
『森岡貞香の歌』 雁書館、1992年
『樹木巡礼』 北冬舎、1997年
『優雅に楽しむ短歌』 日東書院、1999年
『神の木 民の木』 日本放送出版協会、2008年
『今からはじめる短歌入門』 飯塚書店、2011年
『季節の楽章─短歌を楽しむ24節気』 本阿弥書店、2012年

彼女の経歴の紹介代りに、下記の「茨城・古河」市のHPから引いておく。
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現代短歌では、「サラダ記念日」の俵万智が有名ですが、古河出身の素敵な歌人がいることをご存知ですか。
今回ご紹介する沖ななも先生がその人です。
沖先生は、昭和20年古河生まれ。昭和30年に浦和市に転居するまでの幼少期を古河で過ごしました。中学生のころから、現代詩をつくり始め、昭和43年若い人社文学会に参加、昭和46年には同会より詩集「花の影絵」を刊行しています。
昭和49年には個性の会に入会。短歌を中心とした文学活動を開始。3年後には、「個性」新人賞を受賞されました。
その後の3年は、「式子内親王論」「和泉式部論」等の古典研究、「大西民子論」「葛原妙子論」「五島美代子論」「齋藤史論」等、現代女流歌人論を次々と「個性」に執筆連載。 昭和57年には、第一歌集「衣裳哲学」を刊行します。

 歌集の序文で歌人の加藤克巳は、先生の歌を、「現代短歌に特に女性の歌に、かなりときやかに新しい局面を拓くものと私は思う。もうすこしひろげていえば、いままでになかった明日の短歌をになう、有力な一人にかならずなるにちがいないと私は信ずる」と高く評価しております。同歌集は、現代歌人協会賞と埼玉文芸賞を受賞されました。 昭和61年には、個性賞を受賞、その後は、「機知の足首」「木鼠浄土」「ふたりごころ」と次々に歌集を刊行、平成4年には評論「森岡貞香の歌」、平成6年には、佐藤信弘と「詞法」を創刊。平成9年には、埼玉県を中心とした樹々をめぐっての珠玉のエッセイ集「樹木巡礼」等も出版しています。
最近は、NHK歌壇にゲスト出演されるなど、活動の幅を広げています。
(草弥・注)平成16年より「熾」月刊を創刊し主宰している。

この椅子をわたしが立つとそのあとへゆっくり空がかぶさってくる-----歌集「衣裳哲学」より

やぶこうじ、からたちばなの赤い実が鳥に食われてみたいと言えり---歌集「天の穴」より
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ネット上には高橋みずほの評論[沖ななも論] 撓う強さ というのがあるので覗いてみられるとよい。
手元には余り資料がないが、少しだけ彼女の歌を引いておく。

   ふかくものを思うというにあらねども冬くれば冬の身仕度をする 『機知の足首』

   駐車場と化したる原っぱいっぱいに冬の陽そそぐわれ横切るときも

   そばがらの枕にこめかみ押しあてて寝るときわれのこの夜の脈

   目に追う鳥の空の奥の雲の奥の夏のうしろを見極めむとす 『衣裳哲学』

   パラソルのちいさき影のあやうさやうつろう時をひとり歩めり

   壺を持つ反り身の女のあし首のめぐりの影はやわくあたらし

   上の葉が下の丸葉にかげをおとしともにゆれいるところを過ぎき 『木鼠浄土』

   ところどころ黄の花が咲き大粒の雨うけるとき首ふりている

   下から上、上から下へと楓(ふう)の木の幹にそいつつ視線をずらす

   吊革を握らんとせし右の腕ふいにむげんをさまようあわれ 『春の魚』

   藍深き空あり空に風のありここにこうしていること不思議

   雷と雨と風とが連れ立ちて駆け足に関東平野をめざす

   すきまからそよと夜風のおとずれて過去ばかりなる一生というは

   春の魚一気に裂けば緊密な生一式の臓器詰まれり

   正月はいずこに行かん何せんと先ある者の声ははれやか 「医家の『英雄待望論』」

   くされ声あまやかな声もつれつつ夜のとぱりに消えてゆきたり

   あきびんもそれはそれとて日を返す一言申したきとう風情

   袖振りあう他生の縁のありし人地方新聞の隅にほほえむ

   単語登録しておきしかば迢空も鬱金も言語の地位獲得す

   用もなく歩くを誰もあやしむな<散歩>は文化の証にあれば

   犬が行き猫が渡りてそのあとを枯葉と風が追えり舗道を

   図書館に八冊の本返したるのちのわが手は浮力をもてり

   左手に風あり右手に空(くう)があり何もあらずと言うにはあらず

   二十三センチ二枚の足裏に刻印すうちたたなわる風紋の上

   一所懸命も一生懸命もいのちがけ一所を守るが一生(ひとよ)の仕事

   脇町の医家の書棚にひっそりとくすみていたる『英雄待望論』



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