K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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セント・マイケルズ・マウントからグラストンベリー・トーへ・・・・・木村草弥
The_Death_of_King_Arthurアーサー王の死
 ↑ 「アーサー王の死」(アーサー王と三人の湖の乙女)
黒い頭巾を覆い包むモーガン・ル・フェイは魔導書を探り、アーサー王の命を救う方法を尋ねたことがあった。
その時、モーガン・ル・フェイはアーサー王の臨終の時の守護者のような役割でもある。
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 ↑ セント・マイケルズ・マウント島
58caa093-sセント・マイケルズ・マウント
 ↑ セント・マイケルズ・マウント島

──巡礼の旅──(9)

     セント・マイケルズ・マウントからグラストンベリー・トーへ・・・・・・・・・・・・木村草弥

<古代遺跡群を地図上に結ぶと不思議な直線が現れる>
1921年アルフレッド・ワトキンスが唱えたこの説は、以来多くの論争を呼んでいるが、現にそれは存在する。
謎に満ちた英国最長の「レイライン」(牧草地・leyから来ている。イギリスでは牧草地をよぎって、ストーンサークル、塚、古墳、聖なる泉、スタンディンク・ストーンなどさまざまな宗教的事績が一直線上に並ぶこと)が、ここにある。

セント・マイケルズ・マウント島
普段は湾に浮かぶ島、そして干潮時には陸から一筋の道が伸びる不思議、聖ミカエルの為の壮麗な修道院が建つ聖地であり、現代では世界で最も人気のある世界遺産の一つに数えられる北フランスのモン・サン・ミッシェル・・・。
しかし、実はここはモン・サン・ミッシェルではない。ドーバー海峡を挟んで反対側にあるイギリスのセント・マイケルズ・マウントと呼ばれる場所なのだ。
モン・サン・ミッシェルとはフランス語で聖ミカエルの山という意味だが、セント・マイケルズ・マウントは英語では同様の意味である。
そしてこのイギリスのセント・マイケルズ・マウントは、モン・サン・ミッシェル同様に干潮時のみに渡る事が出来る島なのだ。

何故このような不思議な対称ができたのか。もちろん一緒に建てられた訳ではなく、フランスのモン・サン・ミッシェルの方が歴史が古い。
イギリスのセント・マイケルズ・マウントはモン・サン・ミッシェルの実質的な成立の約300年後に築かれた。
元々この地はキリスト教が至る前から聖地として信仰の対象になっていたようだが、12世紀頃に最初の修道院が建てられた。
海で分断されているが、フランスのブルターニュ地方とイギリスのコーンウォル地方はもともとケルト系住民が多かっためていたという共通点を持っており、
後の百年戦争に象徴される犬猿の中のライバル同士が競って建てたというより、恐らく文化が近い物同士が同じ流れを汲む建築と信仰を持ったという方が正しい。
規模ではフランスに少々劣るものの、イギリス側のセント・マイケルズ・マウントも神秘性では見劣りしない。
モン・サン・ミッシェルのように観光客で溢れかえるような事もなく、至って静かなのも良い。

アヴァロン(Avalon、おそらくケルト語でリンゴを意味する「abal」から)、またはアヴァロン島はイギリスのどこかにあるとされる伝説の島であり、美しいリンゴで名高い楽園であったとされる。このような「恵みの島(Isle of the Blessed)」、「リンゴ島」や「幸運の島」という概念は、インド=ヨーロッパ系の神話には同様の例が多くあり、たとえばアイルランド神話のティル・ナ・ノーグ(Tír na nÓg)やギリシア神話のヘスペリデスの園(Hesperides、同様に黄金のリンゴで知られる)などが有名である。

アヴァロンはまた、イエスがアリマタヤのヨセフとともにイギリスを訪れ、後にそこがイギリス最初のキリスト教会となったという伝説の場所としても語られる。
この場合のアヴァロン島の場所は、今日のグラストンベリーではないかと考えられている。

ここで、「アーサー王伝説」との関連について書いておく。

アヴァロンはアーサー王物語と特に強く結びついている。アヴァロンはアーサー王の遺体が眠る場所とされる。
モードレッドとの戦いで深い傷を負った彼は、アヴァロン島での癒しを求めて三人の湖の乙女(あるいは異父姉のモーガン・ル・フェイ)によって舟で運ばれ、この島で最期を迎えた。いくつかの異説によれば、アーサー王は未来のいつかに目覚めるため、ここで眠っているだけだという。

アーサー王とアヴァロン島は、12世紀の歴史著作家であるジェフリー・オブ・モンマスの『ブリタニア列王史』において初めて結び付けられ、それによるとアーサーはモードレッドとの戦いで致命傷を負い、その傷を癒すためにアヴァロン島に運ばれたとある。

ジェフリー・オブ・モンマスの別の著作『マーリンの生涯』によれば、アヴァロンの地域を統治する九姉妹は:
1.モーガン・ル・フェイ(Morgan le Fay)
2.モロノエ(Moronoe)
3.マゾエ(Mazoe)
4.グリテン(Gliten)
5.グリトネア(Glitonea)
6.クリトン(Cliton)
7.ティロノエ(Tyronoe)
8.ディティス(Thitis)
9.モルゴース(Morgause)

であり、モーガンは九人姉妹の筆頭女性で、医術と変形術に長ける。そして、ディティスはシターンの演奏が上手、巧みである。

ほかにグラストンベリー・トー説というのがあるのだ。 ↓

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 ↑ グラストンベリー・トー
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 ↑ グラストンベリー修道院廃墟の「アーサー王の墓所」

リチャード獅子心王の治世の1191年、グラストンベリー修道院の墓地でアーサー王の古墓が発見されたとの発表がされた。
ギラルドゥス・カンブレンシス(「ウェールズのジェラルド」の同時代の著述(1193年頃)によれば、当時のグラストンベリー修道院長をつとめるヘンリー・ド・サリー)の指導のもとに墓の探索が行われ、5メートルの深さから樫の木でできた巨大な棺のようなものと二体の骸骨を発見。また、そこには通常の習慣どおりの石蓋ではなく敷石がおかれ、石の裏側に貼りつけるようになって密接した鉛製の十字架があり:
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 ↑ 墓碑銘十字架。(ウイリアム・キャムデン著『ブリタニア』挿絵より)

「ここにアヴァロンの島に有名なるアーサー王横たわる。第二の妻ウェネヴェレイアとともに」
(ラテン語: Hic jacet sepultus inclitus rex Arthurus cum Weneuereia vxore sua secunda in insula Auallonia)

と刻印されていた。
王墓の探索に着手したそもそもの理由については、リチャードの父ヘンリー2世がまだ存命の頃、年老いたブリトン人(ウェールズ人)の歌人から、墓がそのくらいの深さから発見されるはずだ、という暗示を受けたからだとギラルドゥスは釈明している。 しかし、ある僧侶が、とりわけその場所にこだわって埋葬されることを切に望み、その遺志の場所を掘り起す作業に当たっているとき、単なる偶然で発見されたものだという、やや後年のラドルフス(ラルフ・オヴ・コッゲスホール))の記述もある。ギラルドゥスもラドルフスも、発見された場所は、2基のピラミッド状建造物のあいだだとしている。 ウィリアム・オヴ・マームズベリ は、アーサーの墓には触れないが、修道院に建っていた高さの異なるピラミッドには詳述しており、それらには人物の立像があり、"Her Sexi"や"Bliserh"等々の刻名がされていたという。

アーサー王と王妃の遺骸は、1191年当時、立派な大理石の石棺に移していったん安置されているが、1278年にエドワード1世夫妻臨席の元、検分が行われ、グラストンベリー修道院の主祭壇の前の地下に、大掛かりな儀式とともに再埋葬された。宗教改革でこの修道院が破壊され廃墟と化す前は、主祭壇下の埋葬地は巡礼たちの目的地になっていたという。

しかし、グラストンベリーの伝説は有名ではあるが眉唾物だと受けとめられていることが多い。中でも、棺にあった刻印は、6世紀の出来事とされるアーサー王伝説より時代が後にずれていると見られており、棺を発見した修道院による秘められた動機があるものと考えられる。これは当時のグラストンベリー修道院長が、他の修道院と競い自分の修道院の格を上げるため、様々な伝説を利用したと見られている。その結果、アーサー、聖杯、ヨセフが一つの物語の中で結び付けられることとなった。

はじめに書いたように、このように、「レイライン」を成して、牧草地をよぎって、宗教的事績が一直線上に並ぶ不思議が出現するのであった。

その他、アヴァロンと考えられている場所はフランスのブルターニュ半島沿岸にあるリル・ダヴァル(l'Île d'Aval)またはダヴァル(Daval)という島だという説や、あるいはかつてハドリアヌスの長城沿いにアバラヴァ(Aballava)という砦のあったイングランド最北部カンブリア州の村、ブラフ・バイ・サンズ(Burgh by Sands)という説もある。


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