K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
201705<<123456789101112131415161718192021222324252627282930>>201707
昨日今日比良八荒といふ寒さ・・・・・・鈴木光紫朗
yamabushi2.jpg
eaf7c65eff3d91629ab7504e00b8dd97.jpg

     昨日今日比良八荒といふ寒さ・・・・・・・・・・・・・・・鈴木光紫朗

比良八講または八荒というのは関西だけに通用することで関東その他では意味が判らない行事ないしは言葉である。
「比良八講」というのは、本来は旧暦2月24日に比良大明神=白鬚神社で比叡山の僧が比良山中で行なっていた修法。
天台宗の僧侶が法華経全8巻を、それぞれ朝夕一巻づつ4日間読経する法会で、天台宗の試験を兼ねた大切な法会であったが、戦後に復活された、という。
今では日を固定して3月26日に行なわれる。

「源氏物語」には、この法会の場面が出てくるという。
この行事の頃、琵琶湖ないしは近畿地方では、寒気がぶり返し、突風が吹いたりするので「比良八講の荒れじまい」などと言われ、
季節の一つの目安とされているのである。
これが終ると湖国にも本格的な春が訪れるという。

行事の解説をしておくと、法会は日吉大社西本宮に集合して、志賀町の打見山頂で取水行事をし本福寺に至る。
3月26日午前9時、大津市長等3丁目の本福寺を出発した僧や修験者らが、ホラ貝を響かせながら大津港までお練りをし、
浜大津港から船に乗って、比良山系から取水した「法水」を湖面に注ぎ、物故者の供養や湖上安全を祈願する湖上修法と浄水祈願を行ないながら、堅田へと向かう。
堅田に到着後は「びわ湖タワー」で護摩供法要が営まれ、これで行事は終る。
ところが「船」で移動するという行事は桟橋の老朽化や経費が多くかかる、などの理由から、本年から廃止されることになった。
この行事については、この記事に詳しい。

「琵琶湖哀歌」に歌われている昭和16年(1941年)の金沢の旧制四高ボート部遭難事件も比良八講(八荒とも書く)によるものと言われている。

極めて地域的な言葉、風習であるから、文芸作品にも詠んだものは多くない。

     比叡おろし今日もまた吹く舞姫の恋やぶれよと伝ふがごとく・・・・・・吉井勇

以下に「比良八講(または八荒)」を詠んだ句を引いて終わる。

 比良八荒沖へ押し出す雲厚し・・・・・・・・・羽田岳水

 八講や魞を流しし比良颪・・・・・・・・・・吉田冬葉

 八荒の雲とも見えて比良の方・・・・・・・・・・能村登四郎

 比良八荒波蓮殻を打ち上ぐる・・・・・・・・・・岡井省二

 伊賀に吹く比良八荒の余り風・・・・・・・・・・宮田正和

 比良八荒波濤にまさる山の音・・・・・・・・・・松本可南

 農鳥の身を削り飛ぶ比良八荒・・・・・・・・・・西村和子

 洗堰にも八講の荒れ及ぶ・・・・・・・・・・三村純也

 八荒や鵜の見え隠る波頭・・・・・・・・・・蟇目良雨

 竹生島比良八荒の浪に乗る・・・・・・・・・・大竹萌

 八講の比良山見ゆれ枯木原・・・・・・・・・・松瀬青々

 杉山の杉擲つ風や比良八講・・・・・・・・・・梶山千鶴子

 松籟も比良八講の荒びかな・・・・・・・・・・向田貴子

 法螺の音に比良八講の船出づる・・・・・・・・・・田中由子

 湖荒るる比良の八講春縮む・・・・・・・・・・岩本愛子

 比良八講らしさの湖の騒立ちに・・・・・・・・・・成宮紫水

コメント
コメント
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック
copyright © 2017 Powered By FC2ブログ allrights reserved.