K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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Post Coitus 不思議な店のマスターは至つて無口シェイカーを振る・・・・・永田和宏
sperm_16024523精子
 ↑ 精子の電子顕微鏡画像

        ■Post Coitus 不思議な店のマスターは
                   至つて無口シェイカーを振る・・・・・・・・・・・・永田和宏


この歌に引き続いて

     受精後と読むは科学者 性交ののちと言ふとももとより可なり

     よろこびか哀しみか然(さ)あれ受精とは精子を迎へ容れること


と続いている。 これらの一連は角川書店「短歌」誌2015年一月号に載るものである。
ご存じのように永田は細胞生物学者で、京都大学を経て、目下、京都産業大学教授である。
有名な歌人・亡河野裕子の夫である。 Wikipedia─永田和宏

この歌の出だしのラテン語「Post Coitus」というのも、いかにも学者らしい、ディレッタントなもので、私などは、こういう知的な「言葉遊び」に微笑む。
実際に、こんな名前のバーがあるのかどうか、も私には判りかねるし、フィクションとして捉えるのが、むしろ面白い、と言える。

つづいて、こんな歌が見つかったので引いてみる。

f0071480_17544581亀のピカソ

       ■はなたれてちぢむペニスよこのあした
                <東大教授>もパンツを脱いで・・・・・・・・・・・坂井修一


この歌の作者はコンピュータ学を専攻する東大教授であり、かつ歌人である。
この歌には詞書「朝風呂」と振られており、かつ「11/9」という日付がついている。
この歌は歌集『亀のピカソ─短歌日記2013』に収録されているものだが、初出は、ふらんす堂のホームページに「短歌日記」という一年間の連作のシリーズとして掲載されたものである。
これらは、もちろん「歌」作品であるから、フィクションとして捉えるべきであろう。
朝風呂でなく夜の風呂だったかも知れないが、詩的真実=リアリティ、として呈示されていると理解すべきである。
しかし「東大教授」という地位に居る人物の歌だからこそ、そして坂井修一という知の巨人の背景がわかるからこそ面白いのである。

彼の経歴について、Wikipdiaを引いておく。   ↓

坂井 修一(さかい しゅういち、1958年11月1日)は日本の歌人、情報工学者、東京大学教授。愛媛県出身。
短歌結社「かりん」に所属し馬場あき子に師事。科学者としての視点を生かしながら人間的な振幅を示す表現が特徴。現在、現代歌人協会理事。また、工学の分野でも活躍し、電子技術総合研究所(現:産業技術総合研究所)に勤務していたときに、汎用性があるという意味で世界初といわれている高並列データ駆動計算機「EM-4」の開発に参加する。その後マサチューセッツ工科大学に学び、筑波大学助教授、東京大学工学部助教授、情報理工学系研究科教授。情報処理学会フェロー、電子情報通信学会フェロー、日本学術会議連携会員でもある。
妻は同じく歌人の米川千嘉子。

こんな歌は、どうだろうか。

海図

      ■断食(ラマダン)を正しく守る前相撲
                 大砂嵐はエジプト人なり・・・・・・・・・・・三井修


この歌は歌集『海図』に載るものである。 三井修氏は、私がいろいろお世話になっている人である。
角川「短歌」誌2015年一月号に載る巻頭・特集の文章によると、

<大砂嵐の本名は アブダラハム・アラー・エルディン・モハメッド・アハマッド・シャラーン。
 四股名・大砂嵐は、本名に因んで、砂=シャ、嵐=ラン、から付けたというのは本当か。>

と書かれている。 私も真偽のほどは判らないが、相撲部屋の親方が、上のようなことで付けたとすれば、極めて愉快である。
その彼も今や幕内力士の中堅として活躍している。
私も注目する一人である。
本名を見ると、イスラム教でも、キリスト教と同様に、ミドルネームに聖人などの名前を連ねるらしい。
三井修氏は東京外国語大学でアラビア語を専攻され、商社で何度も中東の地に駐在員として活躍された人であり、中東研究の第一人者である。  Wikipedia─三井修
歌集『海図』については、このブログで先年に紹介した。

今日は、現在、トップを走る歌人たち三人の「言葉遊び」と私が呼ぶ歌を引いて、書いてみた。 いかがだろうか。


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