K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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白木蓮の花おほどかにうち開き女体は闇に奪はれてゐる・・・・・木村草弥
hakumokuren2ハクモクレン
  
   白木蓮(はくれん)の花おほどかにうち開き
    女体(にょたい)は闇に奪はれてゐる・・・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥


この歌は私の第一歌集『茶の四季』(角川書店)に載るものである。
自選にも採っているのでWebのHPでもご覧いただける。
この歌のつづきに

   情念の日ざかりばかり歩み来て闇の真白の残像恋ほし

という歌が載っているので、掲出した歌と一体として鑑賞してもらいたい。

青空を背景にしたハクモクレンもよいが、歌に合わせてバックが闇の写真にした。

450-20060321211401465白木蓮

ハクモクレンは、写真②の「こぶし」に似た花であり、事実、この両者は同じモクレン科の木である。
「こぶし」と「もくれん」は非常によく似ているのだが、その違いについて言うと、辛夷(こぶし)は早春に冬枯れの山野で咲き、遠くから目立つため、
かつては春の農作業の目安にしたという。
学名はmagnolia kobus と言い、我が国の固有種である。
「ハクモクレン」に比べて花がやや小さく、花びらが細くて、開き気味である。名前の由来は、果実が握りこぶしに似ているためという。
秋に実が熟すと、表面が割れて中から赤い実が糸でぶらさがる。
モクレン科モクレン属の落葉高木。

ただし、モクレンは中国原産の木である。
遠くから見ると見分けがつかないものである。

mokuren紫木蓮

モクレンというと「紫木蓮」という色違いの種類がある。これは濃艶な花である。
写真③に、それをお見せする。
日本へはかなり古くに渡来したらしいが、日本の文学に登場するようになったのは、江戸時代からである。
中国では15世紀には賞用された花で、仏教に関係があるらしく、日本では寺院に多く植えられている。
ヨーロッパへは1790年に渡り、欧米人にも好まれるようになったという。アメリカでも庭園木として広く植えている。
中国ではハクモクレンのことを玉蘭、シモクレンを木蘭の名で呼んでいる。シモクレンはデカダン的な美だという人もいる。
つまり妖艶な感じを受けるからであろう。

掲出した私の歌では「白木蓮」と漢字で書いて「はくれん」と読ませているが、これは音数揃えのためであって、
普通「ハクレン」と言えば「白蓮」(白いハスの花)を指すので紛らわしい。
私の歌は二つとも「メタファー」の体裁を採っているので、そのつもりで鑑賞してもらいたい。
この歌を作った時は二十年も前のことであり、その頃は私も若かったので、こういう「情念」に満ちた歌も作り得たのだが、
今となっては「枯れ切って」しまったので、こういう艶のある歌は作れない。
逆にいうと、だから、その時どきに歌はどんどん作っておくべきものである。
歌は、自分の年齢に応じた「表白」を反映するからである。
後になってからでは、その時どきの年齢を映した歌は、絶対に作れないということである。

hakumokuren3ハクモクレン②

紫木蓮ないしは白木蓮を詠んだ句で、私の歌に通ずると思う好きな句を引いて終りたい。

 木蓮の一枝を折りぬあとは散るとも・・・・・・・・橋本多佳子

 白木蓮の散るべく風にさからへる・・・・・・・・中村汀女

 葉がでて木蓮妻の齢もその頃ほひ・・・・・・・・森澄雄

 白木蓮純白といふ翳りあり・・・・・・・・能村登四郎

 木蓮の風のなげきはただ高く・・・・・・・・中村草田男

 戒名は真砂女でよろし紫木蓮・・・・・・・・鈴木真砂女

 白木蓮や胸に卍字の釈迦如来・・・・・・・・佐久間東城

 はくれんも煩悩の炎も闇に透く・・・・・・・・山上樹実雄

 白木蓮ひらきし夜が大事なり・・・・・・・・高島茂

 はくれんを手燭のごとく延べし枝・・・・・・・・轡田進

 はくれんの花ほむらだつ風の中・・・・・・・・下村梅子

 尖り立ち色めく蕾紫木蓮・・・・・・・・石川風女

 白木蓮を意中の花として老いぬ・・・・・・・・大森輝男



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