K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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摩天楼より新緑がパセリほど・・・・・鷹羽狩行
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 ↑ エンパイアステートビルからの俯瞰。小さな緑が見える。

       摩天楼より新緑がパセリほど・・・・・・・・・・・・・・・鷹羽狩行

鷹羽狩行は昭和5年生まれ。中央大学法学部卒。山口誓子、秋元不死男に師事。
本名は「高橋行男」(たかはしゆきお)であり、これをアナグラムで並べ替えて「鷹羽狩行」とした。
本名では、いかにも俳人らしくないので、山口誓子あたりが、アナグラムしたのかも知れない。
これは私の勝手な想像ではなく、本人のエッセイか何かで読んだ記憶がある。

この句も着想が面白い。摩天楼というからには、本場ニューヨークのことだろう。
はじめてニューヨークに行くと、必ずと言っていいほど、摩天楼のエンパイアステートビルに連れて行かれる。
車も人も芥子粒ほどに小さく、新緑の木立も、かなり大きくても、パセリほどという発想は新鮮である。
今の季節では、ニューヨークでは、まだ寒くて新緑は、まだかも知れない。
先日のNHKのラジオでは首都ワシントンのポトマック河畔の桜が満開、と言っていた。ニューヨークは数百キロ北で、気温はまだ低い。

彼の結社は「狩」というが、全国に子結社、孫結社を持っており、この頃は結社を大きくするのに懸命で、それらの若手で、有望な作家は「狩」同人に引っ張り込んでいるらしい。
これは私の地元の「天塚」という結社が「狩」系で、そこに属する熟年の俳人が自嘲的に洩らしていたことである。
いずれにせよ、俳人協会会長として権勢を振るっているらしい。
ゴルフ狂で全国各地をゴルフ三昧しているという。
以下、彼の句を引いて終わりにしたい。
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 落椿われならば急流へ落つ

 天瓜粉しんじつ吾子は無一物

 蓮根掘モーゼの杖を摑み出す

 母の日のてのひらの味塩むすび

 一湾の縁(ふち)のかなしみ夜光虫

 紅い父青い母走馬灯かこむ

 大言海割つて字を出す稿始め

 一対(いつつい)か一対一か枯野人

 鶯のこゑ前方に後円に

 黴の世の黴も生きとし生けるもの

 ひとすぢの流るる汗も言葉なり

 蛇よりも殺めし棒の迅(と)き流れ

 湖(うみ)といふ大きな耳に閑古鳥

 昼は日を夜は月をあげ大花野

 しがらみを抜けてふたたび春の水

 息づきにおくれ息づく薄ごろも

 秋風や魚(うを)のかたちに骨のこり

 人の世に灯のあることも春愁ひ

 しみじみと端居の端といふところ

 太陽をOH!と迎へて老氷河

 落鮎や流るる雲に堰はなく

 麦踏みのまたはるかなるものめざす

 春光や砂の皺より蜆貝

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↑ 富士を望む句碑「伊豆は日のしたたるところ花蜜柑」

ネット上に載る経歴を載せておく。

鷹羽 狩行 (たかは・しゅぎょう)

プロフィール
 1930年山形県新庄市生まれ。中央大学法学部卒業。1946年尾道商業時代に俳句を始め、山口誓子・秋元不死男に師事。1965年、第1句集『誕生』で俳人協会賞、1975年、句集『平遠』で芸術選奨文部大臣新人賞を受賞。1976年「毎日俳壇」選者。1978年「狩」創刊、主宰。1984年、NHK教育テレビ「俳句入門」講師(3年間)。1987年、NHK国際放送の俳句番組担当(15年)。1993年、俳人協会理事長、「東京新聞」俳句欄選者(9年間)。1994年、国際俳句交流協会常務理事、現在顧問。NHK教育テレビ「NHK俳壇」講師(3年間)。1999年、文部大臣表彰。NHKラジオ深夜便「ラジオ歳時記」(出演中)。2000年、日本文藝家協会理事、日本現代詩歌文学館振興会理事。2001年、NHK教育テレビ「趣味悠々・はじめての俳句」講師。2002年、俳人協会会長、句集『翼灯集』と『十三星』で毎日芸術賞を受賞、受勲。
句集
『誕生』『遠岸』『平遠』『月歩抄』『五行』『六花』『七草』『八景』『第九』『十友』『十一面』『十二紅』『十三星』『十四事』『十五峯』、訪中吟『長城長江抄』、海外吟『翼灯集』、挨拶句集『啓上』『俳日記』。評論・エッセイ集『古典と現代』『俳句の魔力』『胡桃の部屋』『季節の心』『名所で名句』『名句を作った人々』『俳句一念』。入門書『俳句のたのしさ』『俳句を味わう』『俳句上達法』『俳句の楽しみ』『俳句入学』『狩行俳句入門』など。



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