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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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鰯雲人に告ぐべきことならず・・・・・・・・・・・・・加藤楸邨
083鰯雲

  鰯雲人に告ぐべきことならず・・・・・・・・・・・・・・加藤楸邨

夏の雲は山際にもくもくと立ち上がる「積乱雲」が特徴であるが、秋に入ってくると、写真のように、小さい雲片が小石のように並び集る「巻積雲」いわゆる「鰯雲」が季節の雲となる。
写真のように、規則的にさざ波のように並んでいることもあるが、はなればなれになっていることもある。高空に出て、鰯が群れるように見えるので鰯雲、鱗のように見えるので鱗雲、鯖の斑紋のように見えるので鯖雲などと呼ぶ。
『栞草』には「秋天、鰯まづ寄らんとする時、一片の白雲あり。その雲、段々として、波のごとし。これを鰯雲といふ」と書かれていて、鰯雲の特徴を見事に捉えている。
名前に味があり、俳句に愛用される季題のようである。

掲出の楸邨の句は、鰯雲という自然現象の中に「人に告ぐべきことならず」という私的な人事を詠みこんで、見事な主観俳句の秀句とした。
以下、歳時記から鰯雲の句を引く。

 鰯雲日和いよいよ定まりぬ・・・・・・・・高浜虚子

 いわし雲大いなる瀬をさかのぼる・・・・・・・・飯田蛇笏

 松島の上にひろごり鰯雲・・・・・・・・田村木国

 鰯雲昼のままなる月夜かな・・・・・・・・鈴木花蓑

 鰯雲こころの波の末消えて・・・・・・・・水原秋桜子

 鰯雲個々一切事地上にあり・・・・・・・・中村草田男

 妻がゐて子がゐて孤独いわし雲・・・・・・・・安住敦

 鰯雲ひろがりひろがり創痛む・・・・・・・・石田波郷

 鰯雲予感おほむねあざむかず・・・・・・・・軽部烏頭子

 葬られてしまひしものに鰯雲・・・・・・・・中川宋淵

 鰯雲動くよ塔を見てあれば・・・・・・・・山口波津女

 いわし雲城の石垣猫下り来・・・・・・・・森澄雄

 豆腐二丁はなれて沈みいわし雲・・・・・・・・酒井鱒吉

 鰯雲子は消しゴムで母を消す・・・・・・・・平井照敏


コメント
コメント
sohya様
おかえりなさい。
バルト三国のご旅行はいかがでしたか?
お土産話をお聞かせ願います。
2009/08/29(土) 07:06:01 | URL | bittercup #- [ 編集 ]
蒸し暑い日本の夏にとまどっています
■bittercupさま。
コメント有難うございます。
バルトは朝の最低気温が十度を切るという涼しさで
帰ってからの日本の蒸し暑い気温に困惑しています。
今回の旅は「三つの世界遺産都市を巡る美しきバルト三国周遊」
というものですが、ハンザ同盟をめぐるドイツの支配、デンマーク、
スエーデン、ポーランド、ナチスドイツ、ソ連などに翻弄された
小国の過去、現在を考える旅でありました。
目下、疲労困憊中と写真整理のため、ブログへの記事アップは
少し後になります。書くからには資料も読み込んでみたいので。
よろしく。
2009/08/29(土) 15:07:43 | URL | sohya #- [ 編集 ]
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