
──新・読書ノート──
涸沢純平『編集工房ノア著者追悼記 遅れ時計の詩人』・・・・・・・・・木村草弥
旧知の編集工房ノア社主・涸沢純平氏から表題の本が贈られてきた。
関西では名の通った文芸に特化した出版社である。
ここからは『木村庄助日誌』─太宰治「パンドラの匣」の底本─を木村重信の編集で先年出してもらった。
早いもので、あれから、もう十年も経ってしまった。
この本は表題通り、涸沢さんが関わった文人とのいきさつを書いたものである。
「帯文」の裏面には
<大阪淀川のほとり、中津の路地裏の出版社。
港野喜代子、永瀬清子、清水正一、黒瀬勝巳、
天野忠、大野新、富士正晴、東秀三、中石孝、
足立巻一、庄野英二、杉山平一、桑島玄二、
鶴見俊輔、塔和子。 本づくり、出会いの記録。 >
と書かれている。 この帯文に、この本の一冊が要約されていると言える。
この本は還暦のときにまとめられた、というが、校正刷りのまま放置されていたが思い切って上梓された。
巻末に載る「略年史」が2006年までなのも、その理由だという。
画像に出したが、この本の装丁の、清水正一の筆跡の
<雪ガフッテイル
チ エ ホ フ・・・・・>
というオノマトペが何ともなく秀逸である。
不十分ながら紹介まで。
これからも地方からの文化発信に注力願いたい。 有難うございました。
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