
みづがめ座われのうちらに魚(いを)がゐて
しらしらと夏の夜を泳げり・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
この歌は私の第四歌集『嬬恋』(角川書店)に載るものである。自選にも採っているのでWebのHPでもご覧いただける。
西洋占星術でいう星座の分け方によると、私は2月7日生まれなので、「水瓶座」ということになる。
占星術については、2004年の夏にFrank Lloyd Wright 氏の発案で「インド占星術」を中心に10回ほど日本、中国、インドなどの暦などについて書いたことがある。
この頃では、週刊誌などにも「占い」「運勢」のページがあって、それらはいずれも西洋占星術の星座表に基づいている。書いてあることは、当り障りのないことで、さして「占い」とも言えないようなものだ。
しかし、一応は自分の星座表くらいは知っていても邪魔にはならない、という程度の代物かなと思う。
星座表は古代ギリシアで、ほぼ出来上がった。
ギリシア神話の「みずがめ座」Aquariusの由来というのは、こんなものだ。
・・・・・トロイの国にガニメデという羊飼いの美少年がいた。天上から見た大神ゼウスは一目でガニメデを好きになってしまい、ゼウスは鷲に姿を変えてガニメデをさらってしまった。みずがめ座は、この美少年ガニメデを表している、と言われる。・・・・・
「水瓶」についていうと「甕」という字も使うが、昔は今のように水道があるわけでもなく、水汲みも大変だったので、「水瓶」が使われた。写真②のような大きなものなど、いろいろあったようだ。

私の歌だが、着想というか連想というのは単純なもので「みづがめ座」→「水」→「魚」ということから、このような歌が生れた。魚の読み方「いを」は古語の読みである。
水瓶座とかいう季語はないので、もう少し先になるが「星月夜」の季語による句を引く。
われの星燃えてをるなり星月夜・・・・・・・・高浜虚子
子のこのみ今シューベルト星月夜・・・・・・・・京極杞陽
星月夜生駒を越えて肩冷ゆる・・・・・・・・沢木欣一
星月夜白き市門のあらびあ海・・・・・・・・角川源義
寝に戻るのみの鎌倉星月夜・・・・・・・・志摩芳次郎
星月夜小銭遣ひて妻充てり・・・・・・・・細川加賀
中尊寺一山くらき星月夜・・・・・・・・佐藤棘矢
鯉はねて足もとゆらぐ星月夜・・・・・・・・相馬遷子
星涼し樅のふれあふ音かさね・・・・・・・・星野麦丘人
星月夜ひとりの刻は沖を見る・・・・・・・・高橋淑子
| ホーム |