
──新・読書ノート──
みどり児と同じ高さで笑みかわす
きみ乳母車われ車椅子・・・・・・・・・・・西村美智子
友人の西村美智子さんが、NHK横浜の短歌大会で、掲出の歌が小池光 選で優秀賞を得た、と言って来られた。
メール文の中で「孫でもなく曾孫でもなくゆきづりの赤ん坊との束の間の交流です。」と書いておられる。
おめでとうございます。
西村さんとは長らく会っていない。
西村さんは、先年、難病指定の何とか病に罹られ闘病中で、2012年に私の第五歌集『昭和』の批評会を三井修氏のお世話で東京で開いてもらった翌日に、横浜に出向いて会ったきりである。
掲出の歌は乳母車に乗る幼児と、車椅子に乗る西村さんの目線の高さが同じである、という哀歓に満ちた佳い歌である。
「きみ乳母車われ車椅子」という「対句」表現が秀逸である。
この歌から西村さんは外出には車椅子を使っておられることが分かり、私は悲痛な感覚に襲われた。お大事になさってください。
西村さんは今は短歌結社「塔」に所属して歌を作っておられる。
西村さんは京都の同人誌に拠って小説などを書いておられた。↓ 私のブログでも紹介したので下記の記事をクリックして見てください。
『無告のいしぶみ』
西村さんには『イル・フォルモサ』という本もあるので、アクセスしてみてください。
なお掲出画像は、私が勝手に見つけて載せたものであるから、お許しを。
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