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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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キャサリン・ゴヴィエ『北斎と応為』上・下・・・・・木村草弥
応為_NEW

北斎_NEW

──新・読書ノート──

      キャサリン・ゴヴィエ『北斎と応為』上・下・・・・・・・・・・木村草弥
              ・・・・・・・・・・彩流社2015/06/25刊
     
この本は先日、阿倍野ハルカス美術館で開催された「北斎展」の際にミュージアム・ショップで買い求めたものである。
カナダ人女流作家の手による大部の本である。
先ずはアマゾンの書評に載る読者の評を引いておく。

投稿者雪獅子2015年6月23日

 葛飾北斎の娘、お栄の生涯を描いた小説。
 父北斎の名声と膨大な作品のなかに、自らの画業を埋められてしまい、“謎の絵師”となってしまったお栄。
その彼女の心境が、北斎に対する愛情と、遊女の志乃との友情の物語でつづられていく。
 お栄は理解者といえる男たち(式亭三馬・渓斎英泉・南沢等明)と或いは恋をし、或いは結婚をしても、結局は北斎の工房へ戻っていく。
北斎を支えて手伝い、ほとんど分身のように父親に思われていることが嬉しい反面、自らの画業が混同されてしまう憤懣もある。
そうした日々の中で、不遇であっても誇り高く生きる志乃と、江戸時代を生きる女の悩みを共有する。
多面的にお栄の心の内が描かれていて、読み応えがある……のだが、気になるところがいくつかある。
 例えば、日本女性が男性に「隷属」している、とあっさり断じているところとか。
この小説ではお栄の同性との交際圏は親族以外はほとんど吉原に限られているわけだから、そういう視点はやむを得ないのかもしれない。
しかし、同時代でも階級や教育、稼業や都市か農村かなどによって様相はいろいろ異なっているわけで、一括りに江戸時代の日本女性全員のあり方を決めつけられてもなあ……と思う。
(例えば、同時代のイギリス女性でも、探検家のイザベラ・バードと切り裂きジャックの被害にあった娼婦たちのどちらに視点を置くかで、かなり違った見え方になるだろう)
 他にもいくつかあるが、この小説自体の瑕疵になるほどのことではない。
 まあ、私が杉浦日向子の愛読者だから、江戸時代をもう少し良く思いがちなのかもしれないが……。
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投稿者be3osakaベスト500レビュアーVINEメンバー2017年9月29日

まず北斎に興味をもち、その後娘お栄への興味もわいてきました。
本書は北斎とお栄の普通の生活ぶりを知りかつ当時の社会で二人がどう生きていたのかが浮かびあがってくる貴重なものです。シーボルトも登場します。
巻末の著者のあとがき-葛飾応為に魅せられてと、訳者あとがきも読ませるものが多くあって良かったです。
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投稿者Amazon カスタマー2014年12月29日

著者の方がよく江戸の町民文化を取材されてるなぁと感心しました。
情景が目に浮かび、楽しく読ませて頂きました。
和訳の表現も多彩で秀逸だったことも大きく影響していたと思います。
応為という存在を知ることができただけでなく、北斎を人間として身近に感じられる貴重な作品です。
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カナダ人作家といってもアメリカで活躍する人である。
アメリカの小説は、とかく長くて、描写が冗長だというのが私の意見である。
この本も微に入り細にわたり、と描写が細かいが、肝心のところが抜けていたりする。
この本は娘「お栄」の目から見た北斎を描いていて間違いはないが、とにかく北斎という人は90年生きた化け物のような偉人であるから全体像を描くのは難しいだろう。
近年、欧米の資料などから研究が物凄く進んでいるらしい。
私が北斎を採り上げた十数年前とは比較にならないらしい。
この本のカバーに「あの絵を描いたのは私」とあるように、中風で指が震えて筆致もままならぬ晩年の北斎を支えて、「きれいな線」を引き、鮮やかな赤色を塗る、などは「お栄」の手になるものらしい。
華々しい「北斎展」の盛況ぶりからすれば、この本も、もっと売れてもよさそうなのだが再版の知らせはないのが残念である。
とにかく大部の小説に仕立てられた労苦を称えたい。


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