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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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香山雅代主宰・詩誌「Messier」50号記念号・・・・木村草弥
メシエ_NEW

──新・読書ノート──

     香山雅代主宰・詩誌「Messier」50号記念号・・・・・・・・・・木村草弥
                 ・・・・・2017/12/05発行・・・・・・・・

詩と歌曲の両面で活躍される香山雅代主宰の詩誌が50号になり、今号は記念号として増ページになっている。
「招待席」の作品として鈴木獏の「燃える本座」というソネット抱擁韻という形式の詩が巻頭に載っている。
鈴木獏氏とは親しく付き合ってもらっていて、何冊も本を買ったり、また貰ったりしている仲である。
先ず、その作品を引いておく。

     燃える本座  ─C・Messier賛     鈴木獏
     
     はるか宇宙の果から届く重力の波に
     微かに感応しているだろう鞦韆の綱
     イクォールで結ばれる永遠と刹那
     ビッグ・バンによって生れた光と闇に

                     *
     かつてリルケの言葉の宇宙に新しく生れた
     「揺籃座」「燃える本座」などの未知なる星座
     母を意味する大文字Mの星へ帰りなんいざ
     落下を受け留めている大いなる者へのレター

     遠いビッグ・バンの記憶をとどめながら
     カタログの番号に順(したが)って整列する星雲たち
     すべての存在が薄明りする暁降(あかときくたち)ち

     ときに念念生滅を繰返す星たちの亡骸
     レンズを磨き続けてこそ観照(テオーリア)は極まる
     名付けてこそすべての物は輪郭が定まる

*ソネット抱擁韻の試み。押韻形式は abba/cddc/eff/egg 。
*リルケの宇宙。「ドゥイノの悲歌」による。
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鈴木氏お好みの「ソネット抱擁韻」によるものである。
ソネットとは西欧の14行詩の形式で、ここでは4、4、3、3の形を採用している。 国によっては4、4、4、2の行分けになるところもある。
韻の踏み方は「脚韻」である。
押韻形式は abba/cddc/eff/egg  となっているから確かめてみられよ。
西欧詩の押韻には他にも「テルツァ・リーマ」などの形式があり、鈴木氏の本を読むと、さまざまのパターンがあり、学べて、面白いものである。
これらの他に鈴木氏は「連句」もおやりで、一座の人々との「座」の巻き方などを見るのも楽しいものである。
こういう脚韻や連句の分野では鈴木氏はパイオニアであり、第一人者であることを書き添えておく。

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      揚羽蝶       佐伯圭子

     今日ここで
     この庭で
     生まれました と
     揚羽蝶があいさつに来る
     羽化したばかりの瑠璃揚羽

     〈いい羽ですね〉
     見とれていると
     “先祖はこの羽で韃靼海峡をわたりました”
     プランターの青々したパセリを全部食べ
     日々大きくなったころの
     幼虫の逞しさ 見せて

         ・・・・・・・・・・・

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         優しい時間       阿部由子

     時を知らせる鐘が鳴る
     内なる声から外へ
     帰り道を忘れた彼方の空から
     呼びかける声のあのかを問うために
     歩き出してみる 再び
     哀しみに向かって
     時を分け 愛を語らず
     いまだ視えない街角で
     シグナルを点滅する

        ・・・・・・・・・・

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         花姿     内藤恵子

     すずやかな様姿
     楚々とした佇まい
     うち黙る昼

     陽が翳るや
     長いうなじを伸ばし
     淡い黄緑のおもてを覗かせ
     星形の花唇を開いて
     やさしいメロディーを奏でる

         ・・・・・・・・・

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      天空ポスト      香山雅代

     時代の忘れもの
     お城です
      モノフォニィとポリフォニーで綯う
     音世界
     非時(ときじく)の古城址です

     古城といっても
     十六世紀の 西洋の物語などではありません
     歴とした 日本列島上の
     薔薇の 咲きかおる 城跡です
      ─Komm, lieber mai, und mache die baume wieder griin・・・・ *
     幽かに 口遊む 若者の声が 聴こえてではありませんか

            ・・・・・・・・・

   *作詞 クリスチャン・オーヴァベック

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会員の作品については「抄出」になったのをお詫びする。
五十号を超えて、更なる飛躍をなさるようお祈りして筆を置く。 有難うございました。



 


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