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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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「詩と思想」掲載「イグ・オリンピック」・・・・・木村草弥
イグ_NEW

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   草弥の詩作品<草の領域>
      poetic, or not poetic,
      that is question. me free !
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──草弥の詩作品「草の領域」──(91)

    イグ・オリンピック・・・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥
         ・・・・・・「詩と思想」2018年8月号掲載・・・・・・・・


          イグ・オリンピック・・・・・・・・・・木村草弥

   先ごろ兄が死んだ。
   兄は優等生でスポーツ万能
   要領もよく、いつもトップを歩んでいた。

   ボクは子供の頃から虚弱児だった。
   しよっちゅう腹を壊し弱虫で
   運動は苦手で頭も良くなかった。
   「お前は俺の影だ」と兄は宣言した。
   だからボクは、いつも兄の「影」だと自認していた。

   オリンピックで表彰台に立つ優勝者。
   勝ち誇って辺りを睥睨する。
   彼には負けた選手の痛みが判るのだろうか。
   ボクは負け犬だったから先ず敗者の心を考えちゃう。
   「イグ・オリンピック」というのを考えついた。
   なぜオリンピックは暑い暑い酷暑の夏に開くのか。
   テレビ放映権を持つマスコミの都合だけだろう。
   今では録画技術もよくなって生放映と違わない。
   時間帯が合わなければ「録画」で見せればいいのだ。
   一九六四年の東京オリンピックは十月十日
   この日は秋晴れの特異日ということで選ばれた。
   真夏のマラソンなど苦行もいいところ。
   選手寿命を縮めるだけだ。
   一方、冬のオリンピックはいい。
   氷や雪がなければ出来ないからだ。
   「イグ・オリンピック」には国歌演奏は無い。
   出走者は自腹で参加する。交通費も出ない。
   メダルはあるがオモチャみたいにちゃちなものだ。
   プラスチックにメッキをした類のもの。
   区民運動会のトロフィーみたいなものだが
   「イグ・オリンピック」というマークが凄い。
   子供たちが原っぱでやる運動会とは、そこが違う。
   「イグ・オリンピック世界記録」が発表される。
   スポーツで世界をいかに平和にしたかが問われる。

   兄が死んだ齢を私が超えた。
   「お前は俺の影だ」と兄は宣言した。
   「影」が自立することは出来るだろうか。
   「イグ・オリンピック」が開催される今日。

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かねて編集部から投稿依頼のあった作品が、本日発売の「詩と思想」8月号に掲載されたので公開しておく。
今号は特集「スポーツの詩」というもので、それに合わせて製作した。
ご感想をいただきたい。


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