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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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月刊「茶の間」連載「木村草弥の四季のうた」第五回・・・・木村草弥
茶の間_NEW

茶の間①_NEW

──月刊「茶の間」連載──(5)

      月刊「茶の間」連載「木村草弥の四季のうた」第五回・・・・・・・・・・・・・木村草弥


   茶に馴染(なじ)む八十八夜のあとやさき緑の闇に抱(いだ)かれて寝る

 前に住んでいた家は広い茶畑に囲まれていたから、この歌の通り茶の緑に囲まれている状態だった。
「八十八夜」とは立春から数えて八十八日目ということであるが、
われわれ茶業者にとっては、日本の暦の中で重要な日である。
                          
   萩の碗に新茶を呑めば今宵はや八十八夜を二夜三夜過ぐ

   明日のため見ておく初夏の夕焼は茶摘みの季(とき)の農夫の祈り

   揉みあがる新芽の温み掌(て)にとれば溢るる想ひ思慕のごとしも

 新茶の茶摘みの頃にまつわる歌を列挙してみた。
 茶摘みの頃は季節の変わり目で天気が荒れることが多い。このような事象を歳時記では「青嵐」と表現する。
 俳句に
   「青嵐消えつつ飛べる雲ありぬ」
という句があるが、こういう気象変動が農家にとっては困るのだ。
 京都の茶園は「覆下園」と言って茶園に覆いをして若い新芽の旨味を引出す工夫をするが、それらが風で吹き飛ばされることがある。
だから私の二番目の歌の「祈り」という光景が生じるのである。
                   
   茶師なれば見る機(をり)もなき鴨祭むらさき匂ふ牛車(ぎつしや)ゆくさま
 
 この歌については説明が必要だろう。「鴨祭」とは毎年五月十五日に催行される葵祭の別名だが、
この頃は新茶製造の最盛期であり茶業者がのんびり見物できない。
前にも書いたが、前衛歌人として有名な塚本邦雄が読売新聞の「短歌月評」で採り上げて褒めてくれた歌で記念碑的なものである。
                     
   五月(さつき)の陽に新芽かがよひ見はるかす一山こぞりて茶の香にむせぶ        

 そして新茶の茶園は美しい起伏を見せて六月へと移ってゆく。
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この連載も第五回になった。
今しも茶の新芽が出始め京都のお茶のシーズンが迫ってきた。
今年は茶の芽立ちも早く、すでに早場の鹿児島、静岡では茶の製造が始まっており、静岡では「静岡茶市場」が取引を始めたらしい。
いよいよ茶のシーズンが動き始めた。
引退した今となっては「忙しい」という実感はないが、緊張感を持って新茶のシーズンを迎えていた頃を思い出す。
ご愛読をお願いしたい。



コメント
コメント
いいですなあ
いつもながら大兄らしい切れ味のいいエッセイですね。お茶作りに励んでおられた当時のご苦労がにじみ出ています。
こちらは、昨日、豊中天竺川上空に鯉のぼり約50本を掲揚しました。始めて5年目、豊中の風物詩として市民たちの話題となっています。ぼくに詩心があれば、大いに歌いたいところなんですが……。
2018/04/22(日) 06:56:56 | URL | 西井弘和 #5Ke2Qkyg [ 編集 ]
コメント有難うございます。
■西井さま。
コメント有難うございます。
一年間連載も五回目になりました。
楽しんで載せています。
あなたも頑張ってください。
2018/04/22(日) 10:31:43 | URL | sohya #- [ 編集 ]
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