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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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松林尚志『一茶を読む やけ土の浄土』・・・・木村草弥
松林_NEW

──書評──

     松林尚志『一茶を読む やけ土の浄土』・・・・・・・・・・・木村草弥
             ・・・・・鳥影社2018/07/24刊・・・・・・

敬愛する松林氏から標記の本のご恵贈をいただいた。
松林氏の略歴を本書から引いておく。

1930年 長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。
現代俳句協会、現代詩人会 各会員。
俳誌「木魂」代表、「海程」同人。
著書
句集 『方舟』 1966 暖流発行所 他
詩集 『木魂集』 1983 書肆季節社 他
評論 『古典と正統 伝統詩論の解明』 1964 星書房
    『日本の韻律 五音と七音の詩学』 1996 花神社
    『子規の俳句・虚子の俳句』 2002 花神社
    『現代秀句 昭和二十年代以降の精鋭たち』 2005 沖積舎
    『斎藤茂吉論 歌にたどる巨大な抒情的自我』 2006 北宋社
    『芭蕉から蕪村へ』 2007 角川学芸出版
    『桃青から芭蕉へ 詩人の誕生』 2013 鳥影社
    『和歌と王朝』 2015 鳥影社 他

私が松林氏を知るきっかけになったのは 『日本の韻律 五音と七音の詩学』 の本を読んで「新短歌」誌に小文を書いたことによる。
私の文章を今ここに引くことが出来ないのだが、以後、御著を恵贈されたりして今に至っている。

この本は主宰される俳誌「こだま」に連載されたのを一冊にまとめられたのである。
金子兜太の本『荒凡夫 一茶』 『小林一茶』 『一茶句集』などの労作があるが、略歴にも書かれているように兜太主宰「海程」にも籍を置かれていたようである。
その兜太も亡くなって、手元にある文章を世に出す気持になられたようである。

私は、この本の題名である「やけ土の浄土」という言葉に注目した。
本を読み進めるうちに巻末の近いところの「十三、晩年の一茶」を読んで納得した。
「柏原焼亡夢」という文字が日記に登場し、現実に、文政十年(1827年)六月に柏原は大火で焼尽、一茶の家も類焼、焼け残りの土蔵で暮らす始末となる。
その年の十一月十九日、その土蔵で死去。
その頃、一茶は
<おろかなる身こそなかなかうれしけれ弥陀の誓ひにあふとおもえば    良寛>
と詠まれる境地に達していたのであろうか。
その頃の句に

       土蔵住居して
  <やけ土のほかりほかりや蚤さはぐ>

というのがあり、この句から題名の「やけ土」というフレーズが思い付かれたようである。

この本の「帯」文に

  <終始芭蕉を意識しつつ
    独自な境地を切り開いた一茶、
    その歩みを作品を通して辿る。>

とある。
そして「あとがき」には

  <私の文章は広い視野からの一茶俳句鑑賞ではなくて、
    俳句を通じて俳人一茶の歩みを追い、
    その人間像に迫るという形のものになった。>

と書かれている。
一読して、読みやすい本である。
ご恵贈に感謝して、ご紹介の一端とするものである。 有難うございました。    (完)






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