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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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月刊「茶の間」連載「木村草弥の四季のうた」第十回・・・・木村草弥
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──月刊「茶の間」連載──(10)

     月刊「茶の間」連載「木村草弥の四季のうた」第十回・・・・・・・・・木村草弥

     
   茶畑はしづかに白花昏れゆきて いづくゆ鵙の一声鋭し

 九月という、まだ残暑の残る季節を越えて十月になった。茶園の葉蔭に茶の花が咲き揃う。
そんな季節を待ちかねたかのように、モズの鋭い高鳴きが聞こえるようになる。
モズは一年中いる留鳥だが、この季節以外では目立たない。
 秋になるとモズは「縄張り宣言」するために、高い木の先端に止まってキ、キ、キと甲高い警戒音を出す。
これがモズの高鳴きと言われるもの。
私の歌の「ゆ」というのは場所を表す助詞で、「いづくゆ」は「どこからか」という意味を表すものである。
 この歌は私の第一歌集『茶の四季』の巻頭に載せた歌で思い出深い。
ついでに書いておくとモズは「百舌」とも書くように他の鳥の鳴声の真似をするので百舌と表記される。

   白丁(はくちよう)が「三の間」に身を乗りいだし秋の水汲むけふは茶祭

   三の間に結(ゆ)ふ祝竹この年の秋の茶事とて日射しに輝(て)らふ


十月の第一日曜日に宇治の「茶祭」が催される。
宇治橋の「三の間」から汲んだ水で、興聖寺(こうしようじ)の茶会が開かれ、秋の行事の始まりを告げる。
 橋の欄干に「三の間」の出っ張りがあるのは宇治橋のみだ。
 この行事で白丁などの役目を務めるのは宇治茶業青年団で、茶問屋の従業員などで構成される。
 京都には各地に数か所の茶業青年団があり、年間を通して「闘茶会」「茶審査技術競技会」などの行事で腕を競いあう。
 秋は好季節で、茶の旨味も一段と増すのである。
昔は涼しい土蔵などに囲っておいた「茶壷開き」などの行事が行われていた。
 保存技術が発達した今では、夏場は茶は冷蔵倉庫に保管されているので鮮やかな緑色を保つことができる。

   告ぐることあるごとく肩に蜻蛉(とんぼ)きて山城古地図の甦(よみがえ)る秋  

由緒ある王城の地である京都の秋を満喫したいものである。 
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めっきりと秋めいて来た。
今年の暑さは異常だったので、この涼しさが何よりの賜物である。
そして、お茶のおいしいシーズンになってきた。
ゆったりとした気分で一服の茶を味わいたいものである。

それと、私の記事とは関係がないが、
森下典子さんのロング・エッセイ集『日日是好日「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』(新潮文庫版)を原作とする、
大森立嗣監督の映画「日日是好日」が完成し、10月13日から全国ロードショーで公開されることになった。
主演は、先日亡くなった樹木希林、黒木華などである。
今号の「茶の間」十月号の巻頭には、「お茶から学ぶ、季節のように生きる日々」の題で、この映画のことが紹介されている。
全身をガンに侵されながら自然体で生き、かつ演技した樹木希林さんの生きざまも立派であった。
映画が公開されたら、ぜひ見てみたいものである。一言、書き添えておく。


       

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