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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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武藤ゆかり写真集『紅葉抄』・・・・木村草弥
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──新・読書ノート──

       武藤ゆかり写真集『紅葉抄』・・・・・・・・・・・・・木村草弥
                   ・・・・・河出書房新社1995/12/05刊・・・・・・・

敬愛する武藤ゆかり氏から、もう二十年以上も前の出版になるが、きれいな写真集が贈られてきた。
本の題名の通り「紅葉」に特化した写真集である。 40ページ余りの小冊子である。
私のスキャナ取り入れの腕が悪いので、予めお断りしておく。
本の一部を画像にしてみた。
この本には、僅かだが「コメント」が挿入されている。 それを抜書きしてみる。

     見ていると光のようでした

     目を閉じると夢のようでした

     考えると色のようでもあり

     また形のようでもありました


  冬の紅葉

     あの西日が沈んだら冬
     そんな寒い秋の終わりでした
     紅葉が赤や黄に染まって
     眠たげな色模様で
     私を誘い込んでいました

     木枯らしが黒い山から吹いてきて
     梢の間を妖しい糸のように
     縫って走り去ってゆきました
     鳥が一羽
     夜の方へ羽ばたいてゆきました

     葉がさわさわと風に揺れて
     冷たい空気に溶け始めました
     この輝く光の粒
     歪んでにじむ形
     境い目も終わりも無い色は
     夢の中に流れる幻の音楽でした

     私の手はひょろひょろと伸び
     肉が散り散りに崩れ
     闇のような虹のような
     美しい嘘のような黄昏の中に
     とっぷりと浸かって霞んでしまい
     時の矢の示すずっと先へ
     ゆっくりと消えてゆきました

     やがて一枚の枯葉に変わった亡霊が
     もう死ぬことも生まれることも
     嘆くことも笑うことも無いのだと
     幸せに身もだえするのでした
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武藤さんの若い頃の「詩」である。
画像でも読み取れると思うが、この本の「帯」に

     <光の海に、
  風の声が満ちる。
    夢幻世界へのいざない──>  てのひら写真集

というキャプションが書かれている。  見事な、この本の要約である。
武藤さんの「詩」の才能に脱帽である。

この本の「奧付け」に、武藤さんの若い写真と、略歴が載っている。
     1965年茨城県生まれ
     東京外国語大学卒業
     茨城新聞社勤務
     日本写真芸術学会会員
     茨城写真連盟会員
     ●著書
     写真集『南方見聞録』
     (光村印刷)

ご恵贈ありがとうございました。 佳い「詩」に触れた快い興奮の裡に居ることをお伝えして御礼といたします。



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