FC2ブログ
K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
201811<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>201901
黒田ナオ詩集『昼の夢 夜の国』・・・木村草弥
黒田_NEW

──新・読書ノート──

      黒田ナオ詩集『昼の夢 夜の国』・・・・・・・・・・・・・木村草弥
               ・・・・・澪標2018/11/05刊・・・・・・・

この本の作者のことは何も判らない。
この本の奥付に

兵庫県神戸市生まれ
兵庫県現代詩協会会員
詩集『夜鯨を待って』 (2013年 私家版)

とあるだけである。
現代詩特有の難解な詩句は何もない、平易な詩である。
本の題名の作品はない。
この題名に因んだ作品を引いてみよう。

      レントゲン

   闇に浮かぶ
   白い骨のかたち
   隙間だらけの
   肋骨が泣いていた

   さかながいるよ
   骨の中にいたんだね
   さかなの感情が
   水色にひろがる

   ごくごくと水を飲む
   ごくごくと夜を飲む

表紙の「帯」に、この詩の一節が引かれて、末尾に
  <日常の曲がり角で出会う 
   楽しくてどこか寂しい夢>
というキャプションが書いてある。
---------------------------------------------------------------------
    耳の王国 (部分)

     ・・・・・
   リンパの水平線を
   船が行く
   煙突からたなびく
   白い煙
   長く長く伸びて
   傾きながら
   夢は続く

-------------------------------------------------------------------------------
       茶色い妹(部分)

       ・・・・・
   言葉がね
   転がっていくのよ
   ベルトコンベアの上を
   ころころと流れていくのよ

       ・・・・・

   はじめは黄色くふわふわしていた言葉たちが
   いつか乾いて茶色く変わっていくのを
   感じていても何もできない私は
   工場でむりやり箱詰めにされた言葉たちが
   海を越えてどこか知らない国へ売られていくのを
   ただひとり
   遠い歩道橋から眺めていた
------------------------------------------------------------------------------

       夢の中にいる(部分)

       ・・・・・
   ココナツの匂いと
   聞こえてくる異国の言葉
   ほわりと漂いながら
   夢の中にいる

      ・・・・・
   だんだんと
   記憶も溶けて
   煙になる
--------------------------------------------------------------------
「夢」というものは、元来、とりとめもないものである。
睡眠には二種類ある。
眠りにおちてすぐに深い眠りのノンレム睡眠になり、次に浅い眠りのレム睡眠になる。
私たちは、だいたい90分でノンレム睡眠レム睡眠を繰り返しているといわれる。
「夢」は、浅い眠りのレム睡眠の中で見るものらしい。
私なんかも年老いたので、浅い眠りの、とりとめもない夢の中に浸っているようなものである。
昔の人は、それを「夢幻の境」だと表現した。
われわれの死の瞬間は、そういう訳の分からない境地の裡にあるのではなかろうか。

黒田ナオ氏の詩を読みながら、ふと、そんなことを思ったものである。

不十分ながら鑑賞を終わる。      (完)





   
コメント
コメント
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック
copyright © 2018 Powered By FC2ブログ allrights reserved.