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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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四つ葉は奇形と知ってはいても/その比喩を、誰も嗤うことはできない・・・吉野弘
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──吉野弘の詩──(1)

       四つ葉のクローバー・・・・・・・・・・・ 吉野 弘

   クローバーの野に坐ると
   幸福のシンボルと呼ばれているものを私も探しにかかる
   座興以上ではないにしても
   目にとまれば、好ましいシンボルを見捨てることはない

   四つ葉は奇形と知ってはいても
   四つ葉は奇形と知ってはいても
   多くの人にゆきわたらぬ稀なものを幸福に見立てる
   その比喩を、誰も嗤うことはできない

   若い頃、心に刻んだ三木清の言葉
   <幸福の要求ほど良心的なものがあるであろうか>
   を私はなつかしく思い出す

   なつかしく思い出す一方で
   ありふれた三つ葉であることに耐え切れぬ我々自身が
   何程か奇形ではあるまいかとひそかに思うのは何故か

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この詩は詩集『陽を浴びて』に収録されているものである。
この詩もカトラン(ソネット)の形式に則ったものだが平易な言葉を使いながら、鋭い詩語となっている。
いましも、まだ風は冷たいが、もうすぐ春の野にクローバーが萌えいづることであろう。
季節に先駆けて、この詩を採りあげた。


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