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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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2人のうちどちらかが ふざけているほうがいい /ずっこけているほうがいい・・・吉野弘
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──吉野弘の詩──(4)
  
       祝婚歌・・・・・・・・・・・吉野弘


   2人が睦まじくいるためには 愚かでいるほうがいい
   立派すぎないほうがいい
   立派すぎることは 長持ちしないことだと 気づいているほうがいい
   完璧をめざさないほうがいい 完璧なんて不自然なことだと
   うそぶいているほうがいい
   2人のうちどちらかが ふざけているほうがいい
   ずっこけているほうがいい
   互いに非難することがあっても 非難できる資格が
   自分にあったかどうか あとで 疑わしくなるほうがいい
   正しいことを言うときは 少しひかえめにするほうがいい
   正しいことを言うときは 相手を傷つけやすいものだと
   気づいているほうがいい
   立派でありたいとか 正しくありたいとかいう
   無理な緊張には 色目をつかわず ゆったり ゆたかに
   光を浴びているほうがいい
   健康で 風に吹かれながら 生きていることのなつかしさに
   ふと 胸が熱くなる そんな日があってもいい
   そして なぜ胸が熱くなるのか
   黙っていても 2人にはわかるのであってほしい
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この詩は、吉野弘の作品の中でも、よく引かれるものである。
これは吉野が身内の結婚式に招待されたが、所用があって出られないので、式で、この詩を朗読してもらったというものである。
多少は説教ぽいところもあるが、心あたたまる詩である。



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