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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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「詩と思想」七月号掲載作品「安立スハル様」・・・木村草弥
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↑ 安立スハル処女歌集『この梅生ずべし』
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   草弥の詩作品<草の領域>
      poetic, or not poetic,
      that is the question. me free !
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──草弥の詩作品「草の領域」──(94)

   安立スハル様・・・・・・・・・・木村草弥
         ・・・・・・「詩と思想」2019/07掲載・・・・・・・

     安立スハル様    木村草弥

   先生が帯状疱疹で苦しみ、歌壇とも縁を切って闘病な
   さり、私とも音信途絶の時期もあり、二〇〇六年春に
   亡くなられて、はや十三年経ちました。
   先生は私を短歌の世界に導いて下さった恩師で、
   「歌は、こうでなければならないというような決まり
   は何もないのです。自分の好きなように作ったらいい
   のです」と仰言っておられました。
      こめかみのわびしき日なり毀誉褒貶
         かしましき日の暮れなむとする  草弥
   この歌を或る歌会に出したとき「こめかみのわびし
   いというのは、どういうことなのか」などさまざま
   に言われたものです。文芸表現は「直観」「感性」の
   勝負である。「こめかみがわびしい」と聞いて、ピン
   と来ないようなら詩歌作者をやめた方がいい、と私は
   思ったものでした。ここで安立先生のことを思い出し
   たのです。
   先生のお名前は、スハルという特異なものだが本名で
   ある。お父上が日本画家であられたから、この命名に
   なったらしい。京都のお生れだが、中年以降は岡山市
   に住まいされた。若い頃から結核で、結婚はされず独
   身。北原白秋の「多磨」誌で短歌の道に入られ、同門
   の宮柊二に従って「コスモス」創刊に加わられた。
   詠風は自由闊達である。例えば
       踏まれながら花咲かせたり大葉子も
         やることをやつてゐるではないか スハル
        金にては幸福は齎されぬといふならば
          その金をここに差し出し給へ
        自動扉と思ひてしづかに待つ我を
          押しのけて人が手もて開きつ
   などという歌がある。
   主宰者である宮柊二の歌
       群(むらが)れる蝌蚪の卵に春日さす
           生れたければ生れてみよ  柊二
   と一脈相通ずるものがあると思うが、いかがだろう。
   宮は戦争中は召集されて中国の山西省の前線に下士官
   として転戦したが戦後、歌集『山西省』を出して、
   「現在形」で詠って注目された。
       中国に兵なりし日の五ケ年を
          しみじみ思ふ戦争は悪だ  柊二
   などと詠んで誠実な「良心」を吐露した。



          昭和二八年、北原白秋門下だった宮柊二は短歌結社「コスモス」を創刊。
          創刊の宣言で柊二は「歌で生の証明をしたいと思います」と高らかに謳い上げた。
          これを読んで 私は震えたものである。
          安立スハル氏は、 創刊同人で、読売新聞(大阪)夕刊の短歌欄 の選者をなさっていた。
          その頃、塚本邦雄も全国版の短歌時評をしていて、私の第二歌集『嘉木』の歌二首を 引いて
          心・詞伯仲した好著」と評した。
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「詩と思想」編集部から七月号用に原稿の依頼が来た。
この号は特集として「あなたに/あなたへ」という課題が与えられている。
私は「安立スハル」さんへの思いを作品化した。後半の二百字の部分は、本文を補佐する「コメント」という指示である。
いかがだろうか。
画像には先生の最初の本『この梅生ずべし』を挙げておく。別に『安立スハル全歌集』があるが、いま私の手元にはないので、出せない。





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