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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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作・東義久 画・こばやしなおこ『東北、風の六人衆』・・・木村草弥
風_NEW

──新・読書ノート──

     作・東義久 画・こばやしなおこ『東北、風の六人衆』・・・・・・・・・木村草弥
                ・・・・・・澪標2019/03/11刊・・・・・・・

この本は「東日本大震災」を忘れないために企画されたものである。
掲出した画像でも読み取れると思うが「チャリティコンサート響きプロジェクト代表」の本田馨氏が企画されたものである。
それに賛同して、文・東義久 画・こばやしなおこ の二氏が執筆された、綺麗な「童話」「童画」集である。

「序章」は「ぼくは風のミュージシャン」と題されている。

     ①
    黒髪を 風にさらして 踊るきみ
    きみが踊れば ぼくが歌おう
    野の花に 負けない ほどの 美しさ
    きみは きれいだ もっときれいにおなり

    哀しみに 打ちのめされて 沈んでしまうきみ
    きみが泣いたら 風さえ消えるさ
    愛してもなぜか 哀しく切なくて
    愛を忘れた
    もっと 愛してごらん

    ※風 風のような 出会いを 信じていたい
     空飛ぶ鳥は ぼくの友だち
     自由に 憧れ 風を連れ 旅をする
     ぼくは ぼくは ぼくは 風のミュージシャン

     ②
     いつの日か 別れ そしてまた 出会うだろう
     繰り返しつつ 人生の旅 どこへ行く
     どこへでも行く
     唇に 歌を忘れずに
     もっと 遠いところへ

     ※風 風のような 出会いを 信じていたい
     空飛ぶ鳥は ぼくの友だち
     自由に 憧れ 風を連れ 旅をする
     ぼくは ぼくは ぼくは 風のミュージシャン


「風の六人衆」とは、「陸前次郎」 「陸奥太郎」 「陸中花子」 「羽前長介」 「雨後の弥七」 「磐城五郎」 のことである。

     ぼくらは風だよ。
     自由をいちばんの友にして飛び回る。 そうさぼくらは東北風の六人衆。
     ぼくらはいつも大きな笑い声を風のなかに聴いていた。
     山のてっぺんからぼくらは台地に向かう。小さなちいさな人間たちがぼくらを見上げている。
     帽子が風に撥ねた。
         ・・・・・・
     海の底ふかく、風たちは何を求めようというのか。
     ぼくらは風。

ここで、宮沢賢治の小説『風の又三郎』のことが、話の中に取り込まれてくる。

     どっどど どどうど
     どどうど どどう
     どっどど どどうど
     どどうど どどう
         ・・・・・
     「風の又三郎が来ている。ぼくらといっしょに飛んでいる。
     ぼくらのところへ来てくれたんだ !」

     どっどど どどうど
     どどうど どどう
     どっどど どどうど
     どどうど どどう

     みんなは風の又三郎の風の歌声を口々に唱えた。
     祈りにも似た合唱が起こった。
     力が体の底から湧き上がってくるような、
     独りではないぞという優しい感じ。
     ぼくらはあの日を忘れない。二〇一一年三月十一日午後二時四十六分。


     (終章)
     祈り~明日のために~


     ①
     小さな花 風にそよぐ あの花のように生きたい
     自然のままに 咲いている あの花のように生きたい
     生きるために 生まれてきて 生きる意味さえ判らずに
     死ぬ日のことを思う なにゆえひとは 祈る
     明日のために
     ②
     行く度か 別離を知り あなたの痛みを思う
     今は恨みなど 微塵もなく ただ遭いたいともう一度
     生きるために 生まれてきて 生きる意味さえ判らずに
     死ぬ日のことを思う なにゆえひとは 祈る
     明日のために
     ③
     夢を追う こころも萎え 日々に流され 生きていく
     それでも 命の 焔消せず 掌合わせ祈るだけ
     生きるために 生まれてきて 生きる意味さえ判らずに
     死ぬ日のことを思う なにゆえひとは 祈る
     明日のために

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何度かフレーズをルフランするところなど、お見事である。 私は「詩の技法」を知り尽くした方だと感動した。

途中をパスしたことをお許しいただきたい。
      
東義久氏の「文」もさることながら、こばやしなおこ氏の「画」が、童話にマッチして何とも秀逸である。
最後に裏表紙の画を、お見せして終わりたい。
ご恵贈有難うございました。 深い感動のうちに読了したことをお伝えしたい。     (完)        

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