FC2ブログ
K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
201908<<123456789101112131415161718192021222324252627282930>>201910
詩「丘に立ち風を見る」・・・折口立仁
445977319B8C4879983132E250BB21AD_LL丘

──<非>季節の詩歌句──

      詩「丘に立ち風を見る」・・・・・・・・・・・・・折口立仁
              ・・・・・「詩と思想」2019年四月号掲載・・・・・・・

     丘に立ち風を見る      折口立仁

  丘に立ち町をはるかに眺めていた少年は
  木々を揺らし瞬く間に消え去る風のはじまりは
  いったいどこなのかと訝った

  芝生に寝ころび空を見ていた高校生は
  全くの青をそのままに映す網膜も
  やがては汚れ 空を曇らせることを怖れた

  砂浜に座って暗い海を見ていた二十二歳は
  欲望と不安に満ち満ちている自分を
  不機嫌な恋人のように持て余していた

  今 丘に立って風を見る

  行方を問うわたしに
  風は音を立てて吹いている
  きっとわたしも
  はじまりも終わりもないのだろう

  かわいた空の果てにも
  冷たい海の底にも
  わたしは行かないのだろう

  時を超えてきた少年に風が吹く

  丘を越え
  さまざまに色を変えて
  風は吹いて行く

---------------------------------------------------------------------------
この詩は、「詩と思想」誌2019年四月号に「現代詩の新鋭」として掲載されているものである。
この作者の紹介記事には、こう書かれている。

<折口は堺市生まれ。大阪の大学を出て、役所で定年近くまで勤めあげた。
 演劇部出身であり、小説もこつこつ書き続けていたが、定年後、京都のNHK文化センターを受講。
 リアルなダンディズムの詩を作るようになる。
 彼は言う。 「どんな形をとるにせよ、作品は、自分が語るべきひとつの物語になるだろう。 物語を、ひとつ。」 >


コメント
コメント
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック
copyright © 2019 Powered By FC2ブログ allrights reserved.