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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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村島典子の歌「糸桜」30首・・・木村草弥
晶_NEW

──村島典子の歌──(38)

      村島典子の歌「糸桜」30首・・・木村草弥・・・・・・・・・・
                 ・・・・・・・晶106号2019/06掲載・・・・・・・・

           糸桜        村島典子

   鳴きかはし朝をよろこぶヒヨドリらどんぐり山のくぬぎの木末
   朝には可愛ゆしと思ひ夕には憎しと思ふ鵯のつがひの
   咳こみて夜具のなかにぞ溺れける夢には夢の理由ありぬべし
   憂へなき日日と思ふにたまたまに死を言ひいでて夫と諍ふ
   かすかにも予兆はこびて冬のひる門口に立つひとりの女
   かすかなる予兆なるべし門口に葬儀屋来たり広報と告ぐ
   わが死ぬるを予定のこととし話しかく葬セレモニー営業部員は
   世の中はことごと欺瞞にあふれたりえーい儘よと死を予約せり
   わが家の押入れにガスマスクありしこと父を偲べば思ひ出でつも
   コンサイスの頁を破り巻きタバコ拵へし父の若きよこがほ
   本棚におもろさうしと万葉集ながめてありて夕べとなりぬ
   立ち話二言三言せしわれは声はつらつと聴かれしならむ
   天邪鬼ならむと玉城徹をおもふとき玉城徹はわれに近しも
   自らに直にあるをあまのじやく変り者とぞひとは言ふらし
   個人なることをたふとび大衆を厭ふならねど然はさりながら
   鴨ふたつ遊べる川淀ながめ過ぎしまらくゆけば白さぎひとつ
   雛の日のこの山里にやはらかき雨ふりはじむ草しめらせて
   白蛾うまれ沈丁花咲きああ春は従順にしてことしも来たり
   をどりこさう、おにたびらこ、いぬふぐり名を呼ばれをり園児にまじり
   四十雀さへづる木末を風すぎてあなたはすつかり女だと言ふ
       三月二十二日京都御苑を友と訪ひ来ぬ
   禁門をくぐりてくれば彼岸会のみ苑にをさなき桃の小林
   梅林のかたへに咲く桃のくれなゐ、真白、あんずの色の
   糸桜しだれざくらは近衛邸跡の池のほとりに今盛りなり
   糸桜のしたてに写真撮られをりむかし少女の三人は寄りて
   ゆくりなく仙郷にあそぶ心地せり梅ももさくらの饗宴の苑
   台風の道となりけむ片側の荒れしままなる春の御苑は
   糸桜の老い木も片身裂かれしと犬つれしひと嘆くを聞きつ
   根かへりて伐られたりけり樹の洞は伐られしのちに命うつたふ
   天皇の御代かはりますこの春の京都御苑の花のしづけさ
   つつましくかそかなものとおもふとき花ひらく音きこゆるごとし
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いつもながらの村島さんの詠いぶりである。
小林幸子さんが歌集『六本辻』を刊行されて、その批評を村島さん他が書かれている文章が載っている。

ご恵贈有難うございました。



   
   
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