

──季節の詩歌句鑑賞──
うすい
ブルーの衣装をさらさらと着て
秋はこっそりやって来た
素足のまま
そっとしのびよって来て
わっとおどろかそうとする子供のように
ひそやかに 気づかれるのを
憚かるように──
雨の中を
秋がやって来た
ひややかに しっとりと──
私は
秋の微笑をみた
細かい白い
(後略)
・・・・・・・・・・・・根来眞知子
---------------------------------------------------------------------------
この詩は根来眞知子さんの第一詩集『ささやかな形見』復刻版に載るものである。
先日紹介した詩集評への返礼として贈られたものである。
この本の後半は「すみくらまりこ」氏による英語による翻訳になっているが省略する。
すみくら氏の略歴のみ記しておく。
すみくらまりこ(日本)
詩人、エッセイスト、翻訳家。1952年京都生まれ。
立命館大学卒業。
日本国際詩人協会代表。国際詩誌「詩の架け橋:天橋」編集主幹。
主な著書 『心薫る女』 『夢紡ぐ女』 『光織る女』 『愛装ふ女』 『地抱く男』 (いずれも竹林館)
2010年第49回ストルーガ詩祭、2015年「ミハイ・エミネスク国際詩祭」に参加。
受賞歴 :『御名を唱えて』(原題省略)により2012年アイルランド文学交流協会から翻訳出版賞を受賞。
2017年セルビア、パンノニアン・ゲレブ詩祭出版賞を受賞。2018年オーストリア・ウイーン国際文学祭ミロシュ・ツルニャンスキー賞、ナジ・ナーマン国際文化賞(名誉賞)受賞 他。
今は、まだ暑いが、季節は、ひたひたと迫ってくる。
そんな季節のトリミングとして、この詩を引いておく。
ご恵贈有難うございました。
| ホーム |