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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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木村草弥第四歌集『嬬恋』(2003年角川書店刊)
嬬恋①

 一二輪まことに紅濃き梅の花
 さびしきかなや若き死者のこゑ・・・・・・・・・・・木村草弥


この歌は私の第四歌集『嬬恋』(角川書店2003年刊)に載るものである。「自選」にも採っているので、リンクにしたWebのHPでもご覧いただける。
この歌は、私の長姉・登志子の思い出に因むもので、梅の花の咲く今頃になると懐かしく、また寂しく思い出されるのである。姉は昭和19年2月19日に結核のために死んだ。
姉を詠んだ「紅梅」という一連の歌を引いてみよう。

 凍て土に早や紅糸をほぐしたるやうに牡丹の花芽噴き出づ・・・・・・木村草弥

 紅梅を見つつ独りの酒に酔ふけふは姉の忌と思ふたまゆら

 紅梅が美しく咲けばよみがへる血喀(は)きしときの姉の悲鳴が

 めつむれば紅梅は匂ひをしたたらす月に絹暈(けんうん)かかる夜明り

 梅咲けば母の文箱に見いでたる姉の手紙の初恋のこと

これらは私の少年期の悲痛な思い出である。
姉は綺麗な字を書く人であった。「佳人薄命」の言葉そのままの人であった。
私には、このような歌でも作って、姉の菩提を弔うしかないのである。

 
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