
あけび熟る鳥語に山日明るくて・・・・・・・・・・・・・・・福川ゆう子
「あけび」は漢字では「通草」と書く。
雑木林などに生える落葉の蔓低木である。栽培のものもあるかも知れないが、野生のものであろう。
今ではアケビなんて言っても、知る人も少ないし、むかし食べたときは甘くておいしかったが、いまなら食べても美味とは思わないのではなかろうか。
写真①が熟して果皮が裂けた実である。黒い実のまわりの白い果肉を食べる。

アケビは春4月に写真②のように花を咲かせる。
名前の由来は、裂けた「開け実」が転じてアケビになったと言われている。
果肉は甘くて、山の味覚として賞味されたが、果皮のことは、私は何も知らなかったが、干しアケビや塩漬けにしたりするらしい。
山形地方には春の彼岸の決まり料理として干しアケビを食べる習慣があるらしい。また秋の彼岸には、先祖がアケビの船に乗って来るという言い伝えから仏壇に供え、あとキノコ類を詰めて焼いて食べるという。

夏に写真③のように緑色の若い実になり、秋になって熟して、果皮は紫色に熟して、果皮が縦に裂けて果肉が見えるようになる。
茎は「木通」モクツウ、果実を「肉袋子」ニクタイシと言うらしい。漢方では生薬として使われるし、蔓は籠などを編み、葉や茎は草木染の染料となる。
俳句にも詠まれているが、カラスなどが食べているのを見て、そこにアケビがあることが判明したりするらしい。
写真④は果皮が裂ける前のアケビの実である。

以下、俳句に詠まれる句を引いて終りたい。
鳥飛んでそこに通草のありにけり・・・・・・・・高浜虚子
むらさきは霜がながれし通草かな・・・・・・・・渡辺水巴
主人より烏が知れる通草かな・・・・・・・・前田普羅
垣通草盗られて僧の悲しめる・・・・・・・・高野素十
通草食む烏の口の赤さかな・・・・・・・・小山白楢
夕空の一角かつと通草熟れ・・・・・・・・飯田龍太
滝へ行く山水迅き通草かな・・・・・・・・山口冬男
採りたての通草を縁にぢかに置く・・・・・・・・辻田克己
もらひ来し通草のむらさき雨となる・・・・・・・・横山由
通草垂れ藤の棚にはあらざりし・・・・・・・・富安風生
何の故ともなく揺るる通草かな・・・・・・・・清崎敏郎
あけびの実軽しつぶてとして重し・・・・・・・・金子兜太
通草熟れ消えんばかりに蔓細し・・・・・・・・橋本鶏二
山の子に秋のはじまる青通草・・・・・・・・後藤比奈夫
あけびの実親指人差指で喰ふ・・・・・・・・橋本美代子
通草手に杣の子山の名を知らず・・・・・・・・南部憲吉
口あけて通草のこぼす国訛・・・・・・・・角川照子
山姥のさびしと見する通草かな・・・・・・・・川崎展宏
のぞきたる通草の口や老ごころ・・・・・・・・石田勝彦
八方に水の落ちゆく通草かな・・・・・・・・大嶽青児
一つ採りあとみな高き通草かな・・・・・・・・嶋津香雪
山の神留守のあけびを採りにけり・・・・・・・・浅井紀丈
あけびなぞとりて遊びて長湯治・・・・・・・・阿久沢きよし
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この記事をご覧になった硯水亭歳時記Ⅱさんから、下記のようなコメントをいただいた。
<アケビは大好物です。実は甘味がありますが、皮の部分を使います。1cmずつ切り分けて、胡麻油で炒め、甘味噌を味付けにして食します。又別な方法ですが、房を残しておいて、その中に予め作っておいた甘味噌とひき肉と柚子の微塵切りをつめこむんです。そしてオーブンへ。たった10分もしないうちに完成です。お酒のアテには最高で、何とも言えない苦味が上品な味に引き立ててくれます。アケビは果樹ではなく、日本のハーブとして珍重し食しています。結構お薦めですが、いかがでしょう。>
いろんな食べ方があるものである。お礼申し上げて、ここに貼り付けておく。
コメント
Sohyaさま
アケビは大好物です。実は甘味がありますが、皮の部分を使います。1cmずつ切り分けて、胡麻油で炒め、甘味噌を味付けにして食します。又別な方法ですが、房を残しておいて、その中に予め作っておいた甘味噌とひき肉と柚子の微塵切りをつめこむんです。そしてオーブンへ。たった10分もしないうちに完成です。お酒のアテには最高で、何とも言えない苦味が上品な味に引き立ててくれます。アケビは果樹ではなく、日本のハーブとして珍重し食しています。結構お薦めですが、いかがでしょう!
アケビは大好物です。実は甘味がありますが、皮の部分を使います。1cmずつ切り分けて、胡麻油で炒め、甘味噌を味付けにして食します。又別な方法ですが、房を残しておいて、その中に予め作っておいた甘味噌とひき肉と柚子の微塵切りをつめこむんです。そしてオーブンへ。たった10分もしないうちに完成です。お酒のアテには最高で、何とも言えない苦味が上品な味に引き立ててくれます。アケビは果樹ではなく、日本のハーブとして珍重し食しています。結構お薦めですが、いかがでしょう!
■松本さま。
お早うございます。
コメント有難うございます。
本文に追記して貴文章を載せましたので、
ご了承ください。
では、また。
お早うございます。
コメント有難うございます。
本文に追記して貴文章を載せましたので、
ご了承ください。
では、また。
2009/11/25(水) 07:51:32 | URL | sohya #- [ 編集 ]
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