FC2ブログ
K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
201911<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>202001
秋暮れて歯冠の中に疼くもの我がなせざりし宿題ひとつ・・・木村草弥
gmikaduki三日月

     秋暮れて歯冠の中に疼くもの
        我がなせざりし宿題ひとつ・・・・・・・・・・・・・・木村草弥


この歌は私の第一歌集『茶の四季』(角川書店)に載るもので、自選にも入れているのでWebのHPでもご覧いただける。
この歌は、今からだと、もう二十数年前の作品になるが、私の経て来た人生を溯ると、数々のやり残したこと、果たせなかったこと、などのもろもろが浮かんで来て、
それを「宿題」という言葉で表現したもので、作った頃から私自身の気に入った作品だった。
具象だけを詠う人には、判りにくいなどの批判も受けたが、歌というものは目につく具体だけを詠んだらいい、というものでもない。
この歌は以前から、ぜひ記事にしたいと思っていたが「秋暮れて」という季節の言葉が入っているので、今日まで時季を待っていたのである。
気がつくと、もう時雨の降る11月になってしまったので、この時期を外すわけにはいかないので、今日づけで載せることにする。
この歌は「原風景」と題する章名のところに入っているもの。この歌の前後の歌を引いておく。

     寧楽(なら)山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・木村草弥

  突き抜けるやうな青空秋ふかみ世渡り下手で六十路すぎゆく

  ねこじゃらし風の言葉にうなづきて白雲ひとつ遊ぶ秋の野

  淋しうて西へ歩けばいとほしきものの一つよ野菊咲きゐる

  老鹿がふぐりを垂れて歩みゐる寧楽山あたり秋澄みわたる

  秋暮れて歯冠の中に疼くもの我がなせざりし宿題ひとつ

  茶祭を終へ来て辿る琴坂の萩の白さよ秋も闌(た)けゆく

  私が死んでもやはり陽はのぼり地球の朝がきらきらはじまる

---------------------------------------------------------------------
私の歌だけでは芸がないので、もうすぐ立冬だが「秋の暮れ」を詠んだ句を引いておく。

 誰彼もあらず一天自尊の秋・・・・・・・・飯田蛇笏

 彼の女今日も来て泣く堂の秋・・・・・・・・河野静雲

 鯉も老いこの寺も古り幾秋ぞ・・・・・・・・高浜年尾

 驚けば秋の鳥なる烏骨鶏・・・・・・・・加藤楸邨

 天を仰げば身の錆おつる秋なりけり・・・・・・・・高柳重信

 しとしては水足す秋のからだかな・・・・・・・・矢島渚男

 白樺や秋は風からかと思ふ・・・・・・・・高田風人子

 しみじみと共に老醜寺の秋・・・・・・・・石川風女

 星はみな女性名詞や羅馬の秋・・・・・・・・マブソン青眼

 ヴィクトリア駅より秋の終列車・・・・・・・・友田喜美子

 蛇の縞まで美しく見せて秋・・・・・・・・山下しげ人

 朝は鳥夕べはけもの啼きて秋・・・・・・・・和田耕三郎

 愉しまず晩秋黒き富士立つを・・・・・・・・山口誓子

 帰るのはそこ晩秋の大きな木・・・・・・・・坪内稔典

 残り時間気にしています晩秋です・・・・・・・・湯山珠子


コメント
コメント
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック
copyright © 2019 Powered By FC2ブログ allrights reserved.