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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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返り咲く暴を老木も敢てせり・・・相生垣瓜人
IMGP0388aシャクナゲ返り花

      返り咲く暴を老木も敢てせり・・・・・・・・・・・・・・相生垣瓜人

「返り花」とは、小春日和に誘われて、春に咲く草木が季節はずれの花をつけることを言う。
主にサクラについて言うが、ツツジやヤマブキ、タンポポなどにも見られる。
掲出した写真は「シャクナゲ」の返り花である。
花がほとんど無い季節だけに、自然からの授かり物のように思える。
和歌、連歌の題にはないが、俳諧では盛んに詠まれたという。
この瓜人(くわじん)の句は「老木」の癖に「返り咲く」というような無謀(暴)なことをしたものだ、という意味だが、
この句を見つけたとき、わが身にひきつけて思わずドキリとした。
「返り花」は、はかないものであるが、それがまた文人たちに愛されたのだった。

私の敬愛する松本氏のサイト「硯水亭歳時記Ⅱ」2009/11/05付けに「冬の桜~妙見大悲は北の北」という記事が載っている。
この記事は「返り花」のことに直接言及しているものではないが、「冬桜」と「返り花」が混同されて誤解されている場合もあるようなので、ご参考までにアクセスされたし。

なお松本氏は桜に詳しいが、それは或る財団の理事長をしておられる故である。
日本中に、山櫻を植え廻ろうというNPOである。
ちょうど各地の櫻の名所では「補植」の時季になっている関係上、各地の行政庁中心に需要が来ているようである。
よく知られる財団法人日本さくらの会は半分以上は公的機関であるのに対して、「僕たちは故人である前理事長の残した資産だけで、すべて民間で管理運営しております。櫻山を造ることも夢の一つです。」とおっしゃっている。
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相生垣瓜人は1898年兵庫県高砂市生れ。本名は貫二。東京美術学校製版科を卒業。浜松工業学校教師となる。俳句は水原秋桜子に師事。
角川書店の第10回「蛇笏賞」を昭和51年に『明治草』他で受賞。百合山羽公と俳誌「海坂」を発行する。1985/02/07に死去している。

ネット上を見ていたら下記のようなcogito,ergo sumという面白いサイトを発見したので貼り付けておく。 ↓
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藤沢周平と海坂(うなさか)
「三屋清左衛門残日録」を読んで藤沢周平作品の虜になり、「蝉時雨」「暗殺の年輪」等々、10数編を次々と読んだ。
今から既に十年以上前のこと。時代小説作品の裏に潜む人間性がたまらなく好きだった。

その藤沢周平の作品の舞台になっているのが出羽の国海坂(うなさか)藩。海坂藩は勿論架空の藩ではあるが、周平の生地に当たる山形県庄内地方を領してきた庄内藩を母型として作られた名前で、周平自身が「海辺に立って一望の海を眺めると水平線は緩やかな弧を描く。そのあるかなきかのゆるやかな傾斜弧を海坂と呼ぶと聞いた記憶がある。うつくしい言葉である」と述べている。

しかし彼が海坂藩と名づけた由来はもっと単純で、その昔彼が会員の一人として投句していた俳句雑誌の誌名「海坂」からとってきていると言うのが本当の所である。

俳誌「海坂」は、水原秋桜子主宰の俳誌「馬酔木(あしび)」の同人で俳句界最高の賞と言われる蛇笏賞を共に受賞した、百合山羽公(うこう)、相生垣瓜人(あいおいがき かじん)が中心となって発行された俳誌で、その伝統が今も生き続け今年の6月号で通巻710号を数える。

藤沢周平の、「海坂」会員として活躍していた時代の作品の一つに、

 天の藍流して秋の川鳴れり

があり、きりりとして美しい作品だと思う。
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以下、「返り花」「帰り花」「返り咲き」「忘花」「狂花」「狂咲き」などの句を引いて終わる。

 凩に匂ひつけしや帰花・・・・・・・・・・・・松尾芭蕉

 かへり花暁の月にちりつくす・・・・・・・・・・・・与謝蕪村

 あたら日のついと入りけり帰り花・・・・・・・・・・・・小林一茶

 真青な葉も二三枚返り花・・・・・・・・・・・・高野素十

 返り花三年教へし書にはさむ・・・・・・・・・・・・中村草田男

 返り花日輪さむく呆けたり・・・・・・・・・・・・加藤楸邨

 死神のへつらい笑う帰り花・・・・・・・・・・・・橋間石

 帰り花身は荒草(いらくさ)の花ながら・・・・・・・・・・・・中村苑子

 返り花咲けば小さな山のこゑ・・・・・・・・・・・・飯田龍太

 返り咲く花はさかりもなく散りぬ・・・・・・・・・・・・下村梅子

 いのちには終りあるべし帰り花・・・・・・・・・・・・加藤三七子

 帰り花空は風音もて応ふ・・・・・・・・・・・・広瀬直人

 一度しか死ねぬとこそ知れ返り花・・・・・・・・・・・・折笠美秋

 返り花知己のひとりは国の外・・・・・・・・・・・・友岡子郷

 約束のごとくに二つ返り花・・・・・・・・・・・・倉田紘文

 返り花そは一輪がよかりけり・・・・・・・・・・・・渡辺恭子

 雑言のなかの金言返り花・・・・・・・・・・・・木内彰志

 眉墨で書き留む一句帰り花・・・・・・・・・・・・宮下みさえ


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