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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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寒い夜にちっぽけな寓話を書いて/重い砲声がまた駱駝の喉を揺らす・・・柴田三吉
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     寒い夜にちっぽけな寓話を書いて、
     淋しさの底に落ちる。・・・・・・・・・
     重い砲声がまた駱駝の喉を揺らす・・・・・・・・・柴田三吉


この詩は「詩と思想」2017年11月号巻頭特集に載るものである。

        寓話      柴田三吉

        (前略)

   寒い夜にちっぽけな寓話を書いて、淋しさの
   底に落ちる。いまでは天も地も淋しいものた
   ちの寄せ集めだ。重い砲声がまた駱駝の喉を
   揺らす。
        (中略)

   存在と非在のあいだに愛と無縁の夜があり、
   肋がうずく夜があったとしても、この世に生
   じたものは耐えなければならない。

   なにかを失ったわたしたちは、深い亀裂を満
   たすなにかを思い出すほかないのだ。かつて
   抱擁と契りを重ねた天地。そのはじまりの歓
   びを、ひどく寒いこの夜のうちに。

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この詩は、いま中東で起こっている事象の暗喩であることは確かだろう。
<重い砲声がまた駱駝の喉を揺らす>という詩句など、秀逸である。
そして終連の四行が、この作品を締めくくる。

この柴田三吉という人のことは、私は何も知らないが、今年を締めくくる作品として、敢えて引いておく。
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柴田 三吉 (しばた さんきち)

略暦
1952年 東京生まれ。
季刊詩誌「Junction」を草野信子と発行。
詩集『さかさの木』 『わたしを調律する』 『遅刻する時間』 『非、あるいは』ほか。
日本詩人クラブ新人賞、壺井繁治賞を受賞。
『角度』(2014年)で第48回日本詩人クラブ賞を受賞。






      
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