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K-SOHYA POEM BLOG
私のBLOGは詩歌句の「短詩形」文芸に特化して編集している。 今はもう無くなったが、朝日新聞の大岡信「折々のうた」などの体裁を参考にして少し長めの記事を書いている。自作も多めに採り上げている。
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村島典子の歌「うしろの正面だあれ」30首・・・木村草弥
晶_NEW

──村島典子の歌──(42)

      「うしろの正面だあれ」30首・・・・・・・・・・・・木村草弥
              ・・・・・・・「晶」110号/2020.6掲載・・・・・・・・・

          うしろの正面だあれ     村島典子

   雪もよひ比叡のおやまにゐる雲のわが街のへに動きくるらし
   控へ目にはぐれ鶫の囀るを聴きをり二月川下にして
   はるばると来たるものかな『赤光』百首 塚本邦雄は吾を幻惑す
   いつせいに春をよろこぶクヌギ原あまたヒヨドリ鳴きかはしゐて
   ウイルスに脅ゆる地上にきらきらと如月尽のひかり及べり
   雨なかに鶫がよびあふあの庭に桜が咲くよ行つてみるかい
   ヒヨドリよそんなに驚かなくてよいわたしは庭の桜の主だ
   コロナウイルス怖れつつ来しデパートは何ゆゑかくも込み合ひをらむ
   壮齢の夫婦がレジに長蛇なし買ひ求めたる食品の嵩
   ウイルスよりわれに恐ろしにんげんの殺気たちたる長蛇の列の
   人間はわきて脆弱生きものはいつかは死ぬるとみな知れれども
   アカゲラが桜の幹をつつきをり、むかし田舎に半鐘ありき
   マスクなくトイレットペーパー消え失せつ半鐘鳴らす人影もなし
   村の外れに避病院のありしこと通学のたび見てとほりたり
   避病院であること幼きわれは知らず息詰めてゆけと大人は言ひつ
   避病院の手前にありし仮小屋も忌避されたりき戦後十年
   さらさらと南天の葉末を風すぎて滅びてもよいか地球人たち
   歯を抜くと勇みて出でてゆきし人泣いて帰つて来さうな気がす
   米投げの峠をこえて帰る人に白粥カボチャ炊きて待たむよ
   わが庭は芽吹きに励むむくむくと蕗の姑土もちあぐる
   すでに父母死者なればこの混沌の令和の春に在さずやすけし
   ジゴクノカマノフタの上に首落したる薮椿あさあさ数ふ二つ三つと
   にんげんに見らるることのなき隙に椿は落すくれなゐの首
   墓ひとつ造るこころは晩年のやすらぎなりぬ子には知らえず
   まつすぐに山へと向かふ倒木をくぐりて跨ぎて陽のさす方へ
   ミツバツツジ両脇おほふ山道を辿りゆくべし浄き平へ
   尾あるもの薮をよぎりぬ二十年前銀のしつぽにわれ出くはせり
   難解な評論集なり図書館に四年の閑に四人出で入る
   四人のうちの一人にあれば一堂に会ひたきものを山の図書館
   ゆめうつつ「人は泥棒、明日は雨」うしろの正面だあれ
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新型コロナウイルス禍で騒々しい中でも、村島さんは歌を詠んでおられる。
益々お元気で何よりである。
出版もウイルス禍で仕事が遅れているのか。
私が最近「予約」しておいた本も一か月半遅れて、ようやく着いた。
今日は「梅雨寒」だが、蒸し暑い本格的な梅雨が迫っている。どうぞ、ご自愛を。








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